趣味

2008年9月11日 (木)

BeBopは健在

Img_1904 ”バップは不滅”を地で行くグループがフィル・ライト・トリオ。タイトルもズバリ”3BOP”とは単刀直入で見事。2007年リリースの「THE PHIL WRIGHT TRIO」米ロスを拠点で活躍する。メンバーはピアノ:フィル・ライト、ベース:ヘンリー・フランクリン、ドラムス:ドナルド・ディーン。知名度ではフランクリンが70年代にH・ホーズと共演して知られた存在だがいずれもバップを標榜するベテランのメンツ。1曲目のC・ウォルトンの名曲"Holy Land"は重厚なシングルトーンから導かれるトリオサウンドのグルーブ感に陶酔する。エリントンの"I'm Gonna Go Fishin'"は最近殆んど取り上げられなくなくなった曲でライトの絶妙な解釈が聴き所。"My Old Flame"のバラードプレイもベテランの味が出た演奏が光る。ライトのオリジナル"Monsieur Philippe"はマイナーキーの哀愁を帯びた佳曲。他にライト、フランクリンのオリジナルにスタンダード全10曲。オーソドックスで安定したサウンドはハードバップの健在を余すとこなく伝える力演。

2006.10.7,11,8

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年8月28日 (火)

お好み焼き屋のジャズ

Img_1418 「Jazz at The Hotcake-shop/Hajine Ishimatsu」はドラマーでリーダーの石松元のリーダー作。このユニークなタイトルは石松が開店している店にあやかったもの。一見商業主義的と映るが実ははちきれるばかりの新鮮度抜群の純正モダンジャズ。ベテランジャズメンによるオーソドックスな大人のジャズを楽しむ趣向。メンバーはリーダー、ドラムス石松の他にテナー高橋達也、トランペット河東伸夫、ピアノ江草啓介、ベース桜井郁雄のクインテットと超怒級のメンバーで食指が動いてしまう。石松は前田憲男の大型コンボのウィンド・ブレーカーのドラマーでステディなドラムワークには定評がある。経験豊かで唄心のあるバッキングは他の追随を許さない旨さがある。ここでもソロイストを鼓舞しダイナミックにセンシティブにドラミングを展開する。演奏は5人の多彩な編成で各ソロイストの個性がタップリと味わえる絶妙なサウンドが聴ける。2管で4曲、テナーのワンホーンで2曲、トランペットのワンホーン1曲、ピアノ・トリオ2曲にベースとドラムスのデュオ2曲(同一曲)。フロント陣のソロワークも見事だが江草トリオのバッキングの素晴らしさが特筆される。高橋のワンホーン"When Sunny Gets Blue""There's No You"バラードプレイの唄わせ方はベテランの味。河東のワンホー"Like Someone In Love"ブリリアントなソロに感動。江草トリオ"Autumn Leaves""Dango"ジャンゴはこの曲の屈指の名演の一つ。デュオ"Softly As in A Morning Sunrise"デュオがこんなにメロディアスとは驚き、ドラムの力が大。2管"Pancake Blues""Killer Joe"他、前田の作編曲が光る見事な演奏。ベテラン達のスタンダードジャズの素晴らしさを堪能しよう。
2001.10.1 Sax Record SAX-1

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年8月27日 (月)

ウェストライナーズのメンバーによる豪華なセッション

Img_1416 かつて日本を代表する名コンボだったウェストライナーズのメンバーによる再会セッション。「WE3+THREE/SALUTE TO SIR DUKE」。ドラマー猪俣猛のジャズ専門誌選出の”南里文雄賞”授賞記念として1996年にリリースされたもの。猪俣猛、前田憲男、荒川康男のWE3に旧メンバー3人のサックス奏者が共演する趣向。WE3はウェストライナーズのリズムセクションで40年以上コンビを組んでいる黄金トリオ。ピアノの前田の卓越した作編曲と円熟したテクニックにベースの荒川、猪俣の繰り出すサウンドは高い音楽性に溢れている。サックス陣は日本のジャズシーンの歴史を築いて来た偉大なジャズメンでアルト五十嵐明要、テナー西條孝之介、バリトン原田忠幸というテクニック風格共名匠に相応しい大ベテラン。演奏は全10曲で5曲はWE3の演奏。3管で2曲、3曲で各サックス奏者がフィーチャーされるワンホーン。3管のぶ厚いアンサンブルとサックス奏者の個性溢れるソロが味わえる贅沢なサウンドが堪能できる。これはまさに大人のジャズが凝縮されている演奏。曲は3管で"BROADWAY"と"タイトル曲の"SALUTE TO SIR DUKE"はビッグバンドのようなアンサンブルで前田の編曲が見事で白眉。五十嵐の"OUR LOVE IS HERE TO STAY"西條"WILLOW WEEP FOR ME"原田"IN A SENTIMENTAL MOOD"WE3で"LIKE SOMEONE IN LOVE""BODY&SOUL""MY FUNNY VALENTINE"など。
DENON  COCY-80164

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年8月26日 (日)

ピアニスト、マイク・ロンゴが放った最新作

Img_1409 米CAPレーベルのピアニスト、マイク・ロンゴの最新作がリリースされた。モダンジャズの伝統を継承する本物のピアニストが元気なのは頼もしい限り。そのホットなCD「MIKE LONGO TRIO/FLOAT LIKE A BUTTERFLY」。ロンゴ得意のトリオ物だ。今回のメンバーは前作のトリオとは違いベース、ポール・ウェスト、ドラムス、ジミー・ウォームワースという過去に数々のセッションをこなしてきたベテラン中のべテランジャズメン。ロンゴは知られているようにD・ガレスピーバンドの在籍時に音楽監督に抜擢された実力者。スタイルはオーソドックスそのもので少しもブレがない。力強いタッチとスイング感、唄心のあるフレージング、特にバラードに於けるセンシティブなプレイは比類なく美しい。御大の下で磨いた腕と経験がものをいっているのだろう。ロンゴのピアノはまさにハードバップの王道を行く卓越したテクニックは円熟味を増している。最近、欧州の一部のピアニストを中心にテクニック偏重でスイングしない観念的なピアノが横行する中ロンゴのピアノとは雲泥の差は歴然としている。背伸びせず等身大のスタンスで曲と向き合う。ロンゴの魅力はここにある。演奏は全11曲。スタンダード4曲にジャズメンオリジナル5曲とロンゴのオリジナル1曲。"Girl Of My Dream""Dancing In The Dark"4ビートに乗って軽快にスイングするグルービーな演奏。"Tenderly"はピーターソンへの憧れの曲、優雅に演奏。"Witch Hunt"は最もモーダルな演奏。唯一のオリジナル"Diminished Returns"はスローテンポの新しいイメージのミステリアスな曲。ガレスピーの"Here Tiz"はこのブルージー感覚は若手には出ないフィーリング。他に"Laura""It Could Happen To You""Evidence"など。
CAP 1006

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年8月25日 (土)

トランペッター、ジョン・アードレイのBlue Jack盤

Img_1408 オランダのBLUE JACKレーベルは突如として驚きのセッションをリリースする。人気の”FORGOTTEN TAPES”シリーズからピアニスト、ホッド・オブライエンとトランペッター、ジョン・アードレイの共演作で1990年の「Hod O'Brien/Jon Eardley Quartet/Yardbird Suite」。メンバーは二人の他ベース、ドラムスはオランダのジャズメンのようだ。双頭カルテットだがアードレイの名を耳にするのは久し振りの事。二人は50年代から活動していながら地味と渋さに甘んじていたプレヤーで共演はこれが初めて。アードレイは一部のファン以外は知名度は低い。50年代ズート・シムスの仏デュクレテトムソン盤の好演が注目されたがその後渡英してから疎遠になったのだろう。英スポットライトにはアードレイのいぶし銀のプレイが聴けるアルバムが何枚かある。。ここでもかつての輝きは失っていてもうまさは抜群である。オブライエンはBlue Jackでは顔なじみで新録の注目作も人気を博し、バップピアノは健在だ。この演奏はブローイングセッションで両者のソロパートも長くソロの応酬も聴き所。ベテランの安定感のあるプレイと熱気がムンクンするハードバップの醍醐味が堪能できる。演奏は全6曲。スタンダードとパーカー、ガレスピーなどのジャズメンオリジナル。"Will You Still Be Mine"のみオブライエン・トリオで他はアードレイのワンホーン。"What's New"はバラードでアードレイの実力を示した力演。"Crazy Rhythm""Yardbird Suite""Blue 'N Boogie"らは両者の見事なソロがじっくり聴ける。
1990.5.11 BLUE JACK BJJR 024

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年8月24日 (金)

コペンハーゲンのジョニー・グリフィン

Img_1379 テナー奏者ジョニー・グリフィンとピアニストケニー・ドリューの二人は50年代から共演している仲で実に30年に及んでいた。今回は再会セッションで1989年(リリース1999年)コペンハーゲンのライブ「JONNY GRIFFIN QUARTET/CATHARSIS!」。メンバーは二人の他にベース、イエンス・メルガード、ドラムス、オレ・ストリーンバーグというグリフィン得意のワンホーン・カルテット。リズムセクションの二人は現地のジャズメンのようだ。グリフィンとドリューは58年にリバーサイドでの共演を皮切りに親密化して行く。60年代にブラックライオンに70年代にはステープルチェースに共演作をリリースし史上に残る名演を残して来た。この80年代後期のセッションでも水を得た魚のように溌剌としたプレイは健在。この後ドリューは他界してしまうが晩年の演奏とは思えない若々しいプレイでセッションを楽しんでいる様子が浮かんで来る。普段通りに有名曲を淡々と吹く力の抜けたグリフィンのテナーもいい。グリフィンの得意ナンバー”ハッシャバイ”はいつ聴いても一級の雰囲気を持っている。演奏は全6曲で他に"Just Friends""If I Should Loose You"グリフィンのオリジナル"Slukefter Blues"
"Isfahan""Rhythm-A-Ning"
1989.7.15 STORYVILLE  STCD 8306

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年8月23日 (木)

”ジャズに魅せられて”の「沢田駿吾と仲間たち」

Img_1381 日本クラウンは地味なレーベルだがことジャズに関しては他のレーベルでは取上げない企画やジャズメンを大胆に起用してアルバム作りをする侮れないレーベル。今回はシリーズ”ジャズに魅せられて”から「Shungo Sawada asd the Best Friends/Five Spot After Dark」。日本のジャズギターの先駆者、故沢田駿吾を中心とした仲間たちのリラックスした寛ぎのアルバム。参加ジャズメンはテナー、クラリネット、花岡詠二、バリトン、原田忠幸、ピアノ、江草啓介、ギター、小西徹、ベース、安久津泰久、ドラムス、八城邦義というベテランで渋い面々。フロント陣は曲により編成が変わる。沢田はジャズ史を刻んで来た百選練磨のベテランでジャズの全てを知り尽くし、最後までジャズに情熱を注いだジャズマン。リラックスしたセッションはお手のものソロワークが冴えわたり楽しいジャズの世界へ誘ってくれる術は天下一品。サポートする江草のピアノはトミフラを彷彿する見事のソロを展開し小西を加えた4リズムはスイング横溢した見事なものでジャズの醍醐味を味あわせてくれる。名手たちの演奏に身をまかせ、自然体でジャズの楽しさを満喫したい。演奏は良く知られ親しまれている厳選12曲でスタンダードとジャズメンオリジナル。曲は"Jordu""Body&Soul""Relaxin' At Camarillo""Five Spot After Dark""Lullaby Of The Leaves""After You've Gone""You'd Be So Nice To Come Home To"など。
1997.4.29, 5.25 日本クラウン CRCI-20313

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年8月22日 (水)

ジェームス・クレイ、シダー・ウォルトン・トリオとのワンホーン

Img_1376 50年代から活躍しているベテランプレヤーでテキサス出身のジェームス・クレイ。テキサスといえば”テキサステナー”といわれるあくの強さをイメージするがJ・クレイは全くスタイルを異にする正統派の純正メインストリーマー。今回はクレイのワンホーンジャズ「james clay/I let song go out of my heart」。クレイの力強くスインギーで良く唄う特長が出た優れたアルバム。メンバーはクレイの他ピアノ、シダー・ウォルトン、ベース、デヴィッド・ウィリアムス、ドラムス、ビリー・ヒギンスというかつて黄金のC・ウォルトン・トリオがリズムセクションを務める極上のワンホーン。クレイは実力を持ちながら何故か知名度が上がらない。まともすぎて没個性が原因しているのだろうか。50年代から数々のセッションに参加し存在感をしめしていただけにもっと評価されるべきだ。クレイのようなジャズらしいジャズはコルトレーン派が横行する中では貴重な存在。特にバラードプレイは格別で"MY FOOLISH HEART"や"THE VERY THOUGHT OF YOU"は絶品。バッキングするウォルトン・トリオの参加がこのアルバムの価値を高めている。余談だがジャケットデザインは暗いイメージでお世辞にもいいとはいえない。演奏は全10曲で全てスタンダードとジャズメンオリジオナル。"THINGS AIN'T WHAT THEY USEDTO BE""RAIN CHECK""I MEAN YOU""JUST IN TIME" "I CAN'T GET STARTED"など。
1989.1.20 ANTILLES 422-848 279-2

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年8月21日 (火)

ベテランギタリスト寺井豊の初リーダー作

Img_1377 日本のメジャーレーベルの”キング”とは思えない隠れた実力派ジャズマンのアルバムを取上げます。1997年リリースの「YUTAKA TERAI/OLD & NEW」。キングの”ジャズ・ギタリスト・ショーケース”の第3弾として発売されたもの。寺井豊が50年代からジャズの道に入ってから初リーダー作の記念すべきアルバム。リーダーの寺井は大阪を拠点にしているギタリスト。その寺井を中心に関西で活動しているジャズメンで固め、デュオ、トリオ、カルテットと曲により編成が変わる。このCDはメディアが東京中心の情報発信では捉えられない地方の優れたジャズマンの活動を知る意義は大きい。ライナーで寺井がモダンジャズの祖の一人チャーリー・クリスチャンの影響をうけ、さらにギターの名匠バーニー・ケッセル、ジム・ホール、ウェス・モンゴメリーらを聴いてジャズギターのスタイルを発展させて来た人。これらのジャズメンはオーソドックスなプレイとスイングにかけては無類のプレヤー。寺井のギターはJ・ホールのようにスインギーでセンシティブなプレイとジャズのグルーブ感が全体に溢れすんなり溶け込める所がいい。ベテランらしく奇をてらわず寺井のスタイルでストレートに表現した演奏に好感が持てる。サイドメンも絶妙のサポートで寺井を盛り立てる。ジャケットカバーは何と”リバーサイド”を思わせるデザインがいかしている。演奏は全11曲。カルテット8曲。トリオ2曲、デュオ1曲で寺井のオリジナル2曲にスタンダード、ジャズメンが9曲。曲は"But Not For Me"はデュオ。"I Hear Rhapsody""Walkin'"はトリオ。"East Of The Sun""Hot House""Alone Together"オリジナルの"Chaild Dance""For T"などはカルテットの演奏。
1997.8.6 KING KICJ 334

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年8月20日 (月)

ベニーゴルソンのワンホーン・ジャズ

Img_1375 モダンジャズ界に於けるテナー&作編曲者のベニー・ゴルソンの名は格別なものがある。ゴルソンの曲からジャズに興味を覚えた人が多くいる事も事実。今回はゴルソンのワンホーン・ジャズで1996年スイスでのライブアルバム「UP JUMPED BENNY/BENNY GOLSON」。メンバーはゴルソンの他ピアノ、ケヴィン・ヘイス、ベース、ドワイン・ブルーノ、ドラムス、カール・アレン。ベテランとトップクラスの若手リズムセクションのカルテットで溌剌としたゴルソン節が聴けるアルバム。ゴルソンはソロイストか作曲家かといわれれば紛れも無く作曲家に軍配が上がる。ソロではメロディアスとはいい難いタレ流し風なメリハリの少ないソロは魅力に欠ける。曲では人気の”クリフォードの想い出””ウィスパー・ノット”以外でも魅力的な曲が多い。”アウト・オブ・ザ・パースト””フェア・ウェザー””スティブルメイツ””アー・ユー・リアル”などは多くのジャズメンが取上げ名演を残している。ここでのゴルソンは若手に触発されていつになく挑戦的なプレイが浮かび上がる。ドラムとのデュオや無伴奏ソロなど意欲的なプレイが展開されていてゴルソンの違った一面を知ることが出来る。K・ヘイズ以下のリズムセクションは第一線でバリバリのプレヤー達で新感覚の活きの良いバッキングでサポートする。ベテラン、俊英の世代の違うメンバーが緊張感を生んでいる。演奏は全7曲。ゴルソンの名曲4曲にジャズメン3曲。ゴルソンのオリジナルでは"Stablemates""I Remember Cliford""Whisper Not""Gypsy Jingle Jangle"の4曲、他に"Up Jumped Spring""Tiny Capers"など
1996.5.23 ARKADIA  70741

| | コメント (0) | トラックバック (0)

より以前の記事一覧