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2008年10月

2008年10月23日 (木)

アナログ盤が再興

20081005_567013 最近送られてくるジャズ情報のメールを見ると食指をそそる目玉が見当たらない。注目される物と云えば50~60年代の欧州、米国のアナログ盤の再発や復刻盤になる。それも重量盤と銘打っていてマニアにアピールする。CD全盛期には店頭からアナログ盤が消えたのを思えば昨今のアナログフィーバーの状況は隔世の感を覚える。最近ではアナログ盤に席巻されてCDが隅に追いやられているようにさえ見える。CDの簡便さに慣れた小生にはアナログ盤の面倒な操作は反時代的に映る。CDは盤の表裏の入替え、スタイラスのクリーニング、アームの移動、盤のクリーング液によるの清掃などが不要である所にCDを愛聴する理由がある。アナログ盤の再発、復刻は半世紀前の物が多くマニアックな人以外魅力はうすい。ノスタルジックに浸る事なく21世紀のリアルタイムに進化するジャズを楽しみたいと思っている。

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2008年10月15日 (水)

アンダーレイテッドなピアニストのラリー・ヴコヴィッチ

Img_19821 2006年にリリースされた「STREET SCENE」以来のL・ヴコヴィッチの新譜「LARRY VUCKOVICH TRIO/High Wall」。70才を超えるヴコヴィッチは寡作家だがアルバムはどれも充実した優れものが多い。メンバーは曲によりサイドメンが違う二つのトリオにコンガ、タブラのパーカッションが加わった編成。トリオはラリー・グレナディール(b)エディ・マーシャル(ds)とポール・ケラー(b)チャック・マクファーソン(ds)の2セット。コンガを含めて前作と同一メンバーもいて相性に遜色はない。ヴコヴィッチは地味なため殆んど注目されないが繊細さとダイナミックさを併せ持つ類まれな実力を誇る。パウエル派の流れを汲む名手だが何故か過小評価に甘んじていた。腰の据わったシングルトーンの重みとグルーブ感はモダンジャズの神髄を聴かせる見事なもの。演奏は全12曲。内2曲はボーナストラックで別音源。自身のオリジナル4曲にジャズメンの曲など。特に"黒い瞳””アランフェス協奏曲”などパーカッションをいれた独自のアレンジが新鮮さを呼ぶ。B・ハリスの名曲"Lolita"哀感のあるバッププレイが素晴らしい。オリジナルのバラード"View from Telegraph Hill"やソロピアノ"A Handful of Stars"のリリシズムを湛えた繊細な表現はベテランの実力を示す。ボーナストラックのライブ演奏"Lester's Minor Blues"はダイナミックにスイングしグルーブ感はハードバップの神髄を聴かせる。
2007.12.17,18  2007.12.2(Harf Moon Bay)

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2008年10月13日 (月)

温故知新「横濱JAZZ PROMENADE 2008」終わる

Img_1973 今年の「横濱ジャズプロムナード2008」が終わった。貧乏人なのでダブル券ではなく日付指定のシングル券で参加。昼から始まって夜9時近くまでいたがそれほど長くいたとは感じなかった。当初の巡回計画とは行かなかったが大体目当てのグループは聴けた。今回はインスト中心と決めていたので峰厚介4、渡邉典保4、八城邦義プロジェクト、今田勝3、中牟礼貞則4の5グループ のベテラン中心になった。八城のグループは”トImg_1969_3 リビュート・ツー・リー・モーガン”と銘打って松島啓之と高瀬龍一の2トランペットの迫力あるサウンドが見事で若手の溌剌とした演奏が良かった。渡邉4はパーカーライクなアルトが一際光りハードバップの王道を聴かせた。今田3は久し振りにオーソドックスなプレイを聴いたがベテランの安定したそつの無い演奏だが新鮮味は感じなかった。中牟礼4はピアノレスのサウンドに新鮮さが感じられた。ジム・ホールとポール・デスモンドを彷彿させる見事なコラボレーションが印象的で5グループの中では一番良かった。ジャズクラブものぞいたが店内が狭いため満杯状態で立錐の余地もないため止めた。ジャズクラブは大イベント時の聴衆をさばくには向いていない。その点ホールはジャズ向きではないが座って聴く事が出来るので小生のような後期高齢者予備軍には好都合でかなり盛況だった。

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2008年10月12日 (日)

ワンホーンが似合うベニー・ベイリー

Img_1965 長く欧州を拠点に魅力的なアルバムを数多く残したトランペッターのベニー・ベイリー。晩年はドイツのレーベルを中心ワンホーンによる演奏が多くある。今回はそのワンホーンのアルバムから「BENNY BAILEY/FIRM ROOTS」。メンバーはBenny Bailey(tp),Wolfganb Kohler(p),Frits Kriss(b),Clarence Becton(ds)のカルテット。ベイリーとは何回かセッションを行っているメンバーもいる。ベイリーのトランペットは力みが無く温か味のある音色といぶし銀のミュートに特長がある。モダンの鋭いアタックや革新性には欠けるもののリラックスしたぬくもりのあるサウンドは比類がない。ここでもマイペースで寛ぎの味とモダンなハードドライブの一面をのぞかせてベテランの魅力を発揮する。気鋭のリズムセクションの好演が一際光る。曲は全8曲でベイリーがしばしば取上げた曲で自身のオリジナル1曲にジャズメンオリジナルにスタンダード。"Memories of You"はリラックスしたムード満点の演奏は心に残る。"In aMellow Tone"ベースをバックにミュートプレイを聴かせる。ダメロンの名曲"If You Could See Me Now"朗々と歌い上げるバラードプレイはベテランの魅力。マイルスの"Solar"ピアノトリオの演奏からベイリーのミュートプレイが入り最もモダンな演奏。オリジナル"Kansas City Statement"はアーシーで溌剌とした演奏が見事。これは気軽にジャズを楽しくには最適なアルバム。
1998.11.1

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2008年10月11日 (土)

SAPHUレーベルのトニー・パシニ

Img_1964 米西海岸のオレゴン州ポートランドにある"SAPHU"レーベルは地味ながら洗練された質の高い作品をリリースする。最近でもJEF LEEのピアノトリオによるライブ盤は好評を博した。今回は一般受けしないが確固たる実力を誇る、東京生まれのピアニスト、トニー・パシニの「Tony Pacini/I'll Close My Eyes」。メンバーはパシニの他ベース:エド・ベネット、ドラムス:ティム・ラップのレギュラートリオ。SAPHUにある3枚のうちの最初の作品。以前に3枚目にあたる2006年のライブ盤を紹介した事がある。パシニの特長はジャズの伝統に根差したオーソドックスなスタイルで軽薄な所がなくどっしり地に付いて安定した演奏はベテランを思わせるものがある。全13曲。自身のオリジナル5曲にスタンダード。オリジナル曲はきれいなな曲が多く作曲に非凡さが感じられる。緩急をつけた選曲とグルーブ感は魅力的であり卓越したテクニックが冴えて聴き応えのある作品といえる。タイトル曲はリバーサイドのB・ミッチェルの演奏を思い出すが無伴奏のイントロからインテンポにはいる所は類が無い。オリジナル"Pastel For Two""Song For Marci"は美しいメロディのバラードで繊細な表現が印象的な演奏。ルグランの"You Must Believe In Spring"はエバンスの演奏で知られるがパシニはメロディをストレートにじっくり弾いてこの曲の持つ美しさを浮き彫りにして締めくくる。
2000.6.28,29 Oregon

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2008年10月 8日 (水)

ジャズは復刻、再発盤が盛ん

Img_1963 この所のジャズソフト界の現況を見ると定番の新譜紹介の他に国内外の過去のマイナーな音源の復刻、再発盤のリリ-スが相次ぎノスタルジックムードの高まりと相まって隆盛を誇っている。今回は本邦で絶大な人気を誇る故オスカー・ピーターソンのその部類に入る1枚で2008年米LONEHILLJAZZの「OSCAR PETERSON TRIO/LIVE IN MONTREAL 1965」。ピターソンはヴァーヴ、ライムライト、MPS、パブロ、テラークなどからのリリースが多いがこれはクレジットもなくオリジナル音源の出所は不明だが録音は極めて良好。メンバーはピーターソンの他ベース:レイ・ブラウン、ドラムス:ルイ・ヘイズで生地カナダでのライブ盤。ドラムのエド・シグペンからルイ・ヘイズに代わった直後の演奏と思われ翌年にはベースがサム・ジョーンズに代わっているのでこのCDのメンバーの活動期間が極めて短くこれは数少ない1枚。この後ピーターソンはメンバーの変動と多様な編成が主流に変貌を遂げていく。演奏はいつものピーターソン節で安定した豪快なスイングが堪能できる。ルイスもさすがに大物、シグペンに劣らぬブラッシュワークを展開し見事にトリオにフィットしている。曲は全10曲。
1965.8.25 Montreal

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2008年10月 6日 (月)

バップスタイルを継承するSTEIN BROTHERSのデビュー盤

Img_1927 ジャズ界には兄弟で活躍したグループが結構いる。古くはC・アダレイ、H・ジョーンズ、C・マンジョーネ、C・カンデリ、J・ヒースらの兄弟はジャズ界を風靡し、実力と人気を誇った面々。今回取上げるテナー、アルトのステイン兄弟のデビュー作2008年Jazzed Media盤「QUIXOTIC/THE STEIN BROTHERS QUINTET」。典型的なバップスタイルを継承する若きグループ。メンバーは知名度はないがAsher、Alex兄弟の他リズムセクションのクインテットを母体に4曲にトランペットとトロンボーンがが加わった編成。stein兄弟は2001年に活動を開始したようだがCDは今回は初デビュー。演奏スタイルは2管を中心にユニゾンでテーマを奏でアドリブソロとかけあいなどオーソドックスなスタイルでサウンドに革新性はない。個性と迫力には欠けるが時として新鮮味が感じられる。ソロイストではアルトのAsherの音色とスムーズなアドリブラインの旨さが傑出していて注目される存在。テナーのAlexはゴードンスタイルの豪放さが特長。曲は全12曲でメンバーのオリジナル8曲にスタンダードなど4曲。ミディアムテンポの曲やバラードプレイも若々しくデビューの新鮮さが感じられる。伝統を重視した王道の演奏はいつ聴いてもジャズ魂が目覚めてしまう。次作はゲスト抜きのクインテットでの演奏を期待。
2007.4.28,29

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2008年10月 3日 (金)

キャノンボール・アダレイの想い出のアルバム

Img_1925 たまたま立寄った中古店で思い掛けないCDを見つけた。引越し先にレコードを収めるスペースがないためほぼ全てを処分した。その中の1枚「CANNONBALL IN EUROPE/THE CANNONBALL ADDERLEY SEXTET」。モダンジャズのLPを始めて買ったペラペラジャケットの国内盤。人気曲"Work Song"が入っていたからだ。見つけたCDはリバーサイドを離れたキャピトル盤の未開封輸入盤。無くなったいま、思い入れのあるアルバムを手元に残したかったのだ。輸入盤のCCCDも初めてだ。このCDはキャノンボールの1962年、ベルギーのJFでの音源でオリジナルはヨーロッパリバーサイド9499でリリースされたもの。Y・ラティーフを加えた3管編成のぶ厚いサウンドとファンキー色を前面に出し、人気実力とも破竹の勢いで突き進んでいた時代。アダレイ兄弟の熱気溢れたソロとラティーフのエキゾティックなサウンドがかみ合ってモダンジャズの醍醐味がビビッドに伝わりアダレイグループの絶頂期を示した演奏が展開される。62.63年の3管時代が一番好ましいし彼らの最も充実した時期ではなかったか。曲はキャノンボールのコメントを挟み得意ナンバーの5曲。"P・Bouk""Gemini""Wotk Song"はいい。兄弟はもちろんザビヌルのファンキーなピアノが華を添える。ラティーフをフィチャーした"Trouble in Mind"珍しいオーボエを吹いてラティーフの個性的なサウンドが聴ける。"Dizzy's Business"3管で豪快にスイングする迫力満点の演奏で締めくくる。
1962.8.5

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2008年10月 1日 (水)

ジュニア・マンス・トリオ、カナダの新作

Img_1924 今年80歳になるピアニストのジュニア・マンスが元気だ。今でも第一線で活躍し新譜をコンスタントにリリースし年齢を感じさせないパフォーマンスを発揮している事は驚きだ。今回は2006年J・マンス得意のトリオ盤,カナダSackvilleの「Junior Mance/Groovin' With Junior」。メンバーはマンスの他ベース:ドン・トンプソン、ドラムス:アーチー・アレインのトリオ。マンスの特長はいついかなるセッションでも自己の個性を貫き通す所でグルーブ感とスイングするスタイルはリスナーを裏切る事はない。マンスは一般的に”ソウルフルピアニスト”と表現されるが近年は年季も加わってよりスタイリストになって味わい深く興味が尽きない。このCDも難しさは一つもなくスタジオライブを自然体でマンスの平素の姿を淡々と演奏したもので手元に置いて気軽に聴ける。全7曲でマンスのオリジナルブルース1曲にスタンダードとジャズ曲。1曲目は得意のスタンダード"Falling In Love With Love"リラックスしたのりが見事。オリジナル"Blues For The Bistro"はマンスの真骨頂のブルースは素晴らしくトンプソンの見事なベースがフィーチャーされる。M・ジャックソンの"Bags Groove"ブルージーなマンスの独壇場。バラード"Stormy Weather"はゆったりした中に情感がたっぷり詰まった印象的な演奏。
2006.6.4

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