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2008年7月

2008年7月31日 (木)

田村翼の未発表音源がリリースされる

Img_1825 昭和ジャズ復刻ブームに乗って廃盤になっていたアルバムが続々復刻されている。70~80年代隆盛を誇っていた国内レーベルも既に撤退して久しい。そんな中、昔トリオレコードから出ていたピアニス故田村翼のデビュー盤の名作”バラード・フォー・ハンプ”ら一連の田村のアルバムが一挙に復刻され、新たに田村の未発表のライブ盤が含まれているのには驚いた。「Memories of SUMMERTIME/YOKU TAMURA TRIO Live at Tokunoshima '80」。メンバーは田村の他ベース:大場景弘、ドラムス:マイク・レズニコフのトリオ。田村は一部のファンから絶大な支持と評価を受けていながら一般的には過小評価されていた。従ってトリオ盤以外は自主制作盤が多い。ハードバップを演ったらジャズフィーリングの豊かさ、見事な唄心とスイング感は虜になる魔性を持っていて比肩できる人はいない。曲は全6曲でスタンダードとジャズメンオリジナル。一曲目の"SATIN DOLL"から田村のペースでグイグイと乗せる。タイトルチューンの"SUMMERTIME"のフォービートの素晴らしい演奏。"BLACK ORPHEUS"はボサノバムードが横溢した軽快な演奏で途中マイクのドラムがフィーチャーされる。"DANNY BOY"は田村の円熟したバラードプレイが印象に残る。
1980.8.6

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2008年7月30日 (水)

世界遺産検定が制度変更

Img_1824 世界遺産検定の受検申込みがせまって来た。受けるか止めるか迷っていたが結局受検する事にした。迷った原因は検定発足2年(3回実施、2回受験)で事務局が検定制度を一変させた事だ。今回に限り移行措置として旧制度の特典(2科目取得で最上位資格の受験資格がとれる)が活きるのでゼロからやり直す必要もないのでこれが決め手になった。検定というと普通知識を確認するがこの検定、知識よりも時間との戦いなのだ。50分60問で1問1分以内に回答しないとタイムオーバーになってしまう。問題は読むのに1分はかかる程の長文なので速読と直感が合否を決める。ジックリ考えていたら不合格だ。速読と直感に衰えのある前期高齢者の小生にはきつい検定なのだ。旅行が好きで知識を深めようと始めた検定だが今回の検定が不合格なら撤退を決めている。7000円を超える受検料も低額年金者には馬鹿にならない。

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2008年7月29日 (火)

80歳現役で活躍するジーン・ディノビ

Img_1821_2 ジャズには年齢など関係ないが80歳の現在でも健在でプレイするピアニストのジーン・ディノビ。今年もギターを加えたドラムレストリオの最新作をリリースして形にとらわれない発想は年齢を感じさせない。今回はディノビが日本で名実とも広く知られるようになった「PRECIOUS MOMENT/GENE DiNOVI」。90年秋にリリースされたこのCD、実はリーダーがどのようなジャズマンか分からなかった。サイドを務めるベースの遠山晃司やドラムスの木村由紀夫の名があったので安心して購入した。この二人はオーソドックスなジャズにおける安定感には定評がある。聴いてみると期待通り、ディノビのピアノは自然体の中にジャズのエッセンスが盛込まれた演奏は正にジャズの原点を往くもので実に魅力がある。。この後の活躍はディノビの根強い人気を反映して幾度の来日と共に内外で何枚も珠玉のアルバムをリリースして不動の人気を誇っている。曲は全7曲でディノビのオリジナル3曲に4曲のスタンダード。"ONE FOR JOHFU"はレーベルの主宰者上不氏に捧げたオリジナルでメロディーの良さと愛情溢れる演奏は印象に残る名演。"SMOKE GET IN YOUR EYES"は深みのあるバラードはベテランならではの風格。"MORE THAN YOU KNOW"のゆったりとした芳醇感は格別。なおこのCDは再発後にデザインが変更されたがオリジナルの方がはるかに良い。
1990.7.10 横浜

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2008年7月28日 (月)

巨星ジョニー・グリフィン堕つ

Img_1818 またモダンジャズの巨星が亡くなった。新聞の片隅にテナー奏者、ジョニー・グリフィンが25日仏で80歳の生涯を閉じた旨の訃報記事を眼にした。今回はJ・グリフィンを取上げる。「Jonny Griffin Live in Tokyo」。グリフィンのLP、CDは引越しの荷物になるので殆んど処分した中で残した1枚。これはグリフィンの初来日時の録音で年齢も48歳で油が乗っていた時期のもの。メンバーはグリフィンの他ピアノ:ホレス・パーラン、ベース:マッズ・ヴィンディング、ドラムス:アート・テイラーというモダンジャズの歴史を歩んできた超豪華な陣容。グリフィンの得意とするワンホーンも魅力。この音源発売時はLP2枚別々に出たがCD化の再発で1枚の完全盤で出た。グリフィンのアルバムは米国やヨーロッパに無数にあるが終始一貫、自分のスタイルを維持しモダンジャズ一本に賭けたプレヤーも貴重な存在ではなかったか。全5曲でグリフィンのオリジナル2曲にジャズオリジナル1曲とスタンダード2曲。4曲は16分から19分の長尺だが時間の長さを感じさせない充実の演奏。演奏は当時の好調さを反映して個性的な抑揚のある独特のフレーズでブローする。リズムセクションも見事なバッキングでグリフィンを鼓舞しモダンジャズの緊張感と熱気がひしひしと伝わる演奏に圧倒される。"ALL THE THINGS YOU ARE"の一気呵成にブローし後半の無伴奏ソロも凄い。グリフィンのオリジナル"WHEN WE WERE ONE"はグリフィンのバラードプレイの極致を示すもの。その他グリフィンの渡欧後のお気に入りのアルバムは1967年、BLACK LION盤「YOU LEAVE ME BREATHLESS]1973年、Steeple Chase盤「BLUES FOR HARVEY」1978年、Galaxy盤「RETURN OF THE GRIFFIN」
1976.4.23 東京

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2008年7月27日 (日)

好調松尾明トリオ

Img_1817 「寺島レコード」のデビュー盤「AKIRA MATSUO/alone together」は期待通りの人気を博したヒット作。この夏、早くも2作目をリリースして軌道に乗り始めた。ジャズ的な豪快な録音、コーティングされた堅牢ジャケット、多彩な収録曲など寺島氏好みを反映した作り。メンバーはリーダー、ドラムスの松尾の他ピアノ:寺村容子、ベース:嶌田憲二のトリオに曲によりヴォーカルにMAYAと西田幹のトロンボーンが加わった編成で基本的にはピアノトリオ。松尾トリオは前作では隠れた名手二村希一を起用していたが今回の寺村も正攻法のピアニスト。一般的に女性ピアニストの弱点はソフト過ぎて力強さが不足する事だが寺村のピアノは低音を効かせた男性顔負けのダイナミックなピアノを弾く。松尾の的確なドラミングと相まってバランスの取れたトリオだ。一つ気になる事がある。ジャケットデザインの女性の顔を大写しにしているが軟弱で気に入らない。前作もそうだったがどうも寺島氏は女性の顔をデザインしたいらしいがこの路線でいくのだろうか。曲は13曲で有名曲をオーソドックスに良くスイングする。"Autumn Leaves"は奇をてらい過ぎていて感心しない。シンプルにストレートに演るのがこの曲の良さが出る。3作目はピアノトリオのみで勝負してほしい。
2007.5.25-28

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2008年7月26日 (土)

クール派サル・モスカ最晩年の作品

Img_1816 ジャズの歴史の中で埋もれていたジャズメンを発掘する稀有なレーベルBLUE JACK.。50年以上前にジャズ史を飾ったクールジャズだがその後のジャズシーンの中で埋没していった。BLUE JACKは歴史の遺産を積極的に掘り起こしている唯一のレーベルといって良い。今回はピアニストサル・モスカのプライベートセッション「Sal Mosca Quartet/You Go To My Head」。メンバーはモスカのピアノの他テナー:ジミー・ハルペリン、ベース:ドン・メッシナ。ドラムス:ビル・チャッティン。ジミーはトリスターノやモスカの高弟で生粋のクール派。ハードバップの激情的なサウンドと違い、アクセントや抑揚の少ない冷静なフレーズが延々と続きアレンジやグループのサウンドを重視するため刺激性やワイルドさが不足し限界があったのかも知れない。モスカは昨年80歳で物故されたが年齢を感じさせないインスピレーションでクールジャズの軌跡を描いている。均一化した現代のジャズとはちがい新鮮さを覚えるかも知れない。むしろ一部のモーダルでつまらないオリジナルを演るジャズよりはるかにスイングしている事は見逃せない。曲は全9曲。パーカー、コニッツ、マーシュ、ガレスピーのジャズメンオリジナルとスタンダード。"Scrapple
From The Apple""Sub Conscious-Lee""How High The Moon""I Can't Get Started"などヘリペリンのユニークなテナーソロやモスカのクールサウンドを伝える貴重な演奏と思う。
2004.2,3

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2008年7月25日 (金)

ウォルター・ビショップJrのチャーリー・パーカー作品  

Img_1815 ジャズの巨匠チャーリー・パーカーの最後の側近といえるピアニストのウォルター・ビショップJr。パーカーのトリビュート作品は色々なジャズメンや趣向で取上げられているが側近の演奏は重みが違う。今回はインタープレイ原盤の「WALTER BISHOPJr./ODE TO BIRD」。メンバーはビショップの他ベース:ポール・ブラウン、ドラムス:ウォルター・ボールデンのトリオ。当時このトリオはレギュラー活動していて数枚録音している。パーカーを支えたピアニストはB・パウエル、T・モンク、D・ジョーダン、A・ヘイグなど皆ジャズの巨人達。影響度や貢献度ではウォルターは影が薄くなる。それにウォルターの知名度が上がらない原因の一つはジャズ三大レーベルといわれるBN,リバーサイド、プレスティジにリーダー作が無いのも影響している。トリオ盤をみるとJAZZ TIME、COTILLION、EAST WIND、INTERPLAY、DIW、REDなどみなマニアックなレーベルで長く市場にない。以前BS放送でウォルターの演奏が放映されていたのを視聴したが高僧のように表情ひとつ変えず没入した姿が印象に残っている。まさにサービス精神などなく実直そのものだ。このパーカートリビュートながら大上段に構える事無く普段着のスタイルを貫き自己の信念で淡々とピアノに向かう孤高のピアニストといえる。全7曲でパーカーのオリジナルとスタンダード。チャラチャラと音を多用する事無く一音一音魂を込めて丹念に弾くところがウォルターの真骨頂でファンの心を捉える。"AU REVAVE""LAURA""STAR EYES""EASY TO LOVE""THIS TIME DREAM'S ON ME"など。
1989.12.4 NY

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2008年7月24日 (木)

ロバート・マズレクはハードバップが似合う

Img_1814 90年代中期に純粋なハードバップ路線を歩みながら突如としてモダンジャズシーンから転進したトランペット・コルネット奏者のロバート・マズレク。英HEPにはモダンジャズに邁進していた当時の溌剌としたプレイを記録したアルバムが数枚ある。今回はデビュー盤から2作目の「Robert Mazurek/badlands WITH Eric Alexander」。メンバーはマズレクの他、テナー:エリック・アレクサンダー、ピアノ:ランドルフ・トレスラー、ベース:ジョン・ウェバー、ドラムス:ジョージ・フラダスのクインテット。デビュー盤の"Man Facing East"はアレクサンダー抜きのワンホーンでリズムセクションは同一メンバー。HEPには96年にも同じクインテットで録音していて古くからの盟友で余程相性が良いのかも知れない。演奏スタイルはストレートアヘッドの典型的なハードバップ。マズレクのオープンでのブリリアントなソロやミュートでのセンシティブなプレイは緊張感を伴ってハードバップ全盛期のサウンドを想起させる。アレクサンダーのスケールの大きい安定したソロは大物の貫禄を示すもの。曲は全10曲でマズレクのオリジナル4曲の他はジャズメンの曲とスタンダード。マズレクのオリジナルは馴染みやすくいい曲を書く。"Angel Eyes""I Fall In Love Too Easily"に聴かれるマズレクのバラードプレイは見事に尽きる。マズレクは紛れもなくハードバップが似合う。
1994.9.6/1995.7.5,6 Edinburgh

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2008年7月23日 (水)

ベニー・ベイリー米国録音

Img_1813 長く欧州に渡って演奏活動してたトランペッターのベニー・ベイリー。70年代後期に短期間で活動を停止したデンマークのJazzcraftに残したB・ベイリーの親しみ易い一枚「GRAND SLAM/BENNY BAILEY」。オリジナル盤は入手困難だがSTORYVILLEからCDが再発され、さらに別テイクが追加されているのもありがたい。メンバーはベイリーの他テナー:チャリー・ラウズ、ピアノ:リチャ-ド・ワイアンズ、ベース:サム・ジョーンズ、ドラムス:ビリー・ハートのクインテット。個性派ではないもののジャズの本質を究め、真の実力者が集まった。ベイリーは欧州での録音が多く米国ジャズメンのセッションは多くない。これはその内の一枚。演奏内容はオーソドックスでジャズの中庸を往くスインギーなもの。ベイリーのソフトな音色にライズの特長のあるフレーズがマッチして仕上がりは上々。全曲をフリッツ・パウアーが編曲していて演奏に厚みが加わっている点にも注目が集まる。曲は全7曲で2曲は別テイク。ベイリーのオリジナル2曲にF・パウアーのオリジナル2曲とP・アダムスのオリジナル1曲とスタンダード抜きの選曲もいい。

1978.10.14  NY

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2008年7月22日 (火)

ハロルド・ランド最盛期の未発表盤

Img_1812 50年代中期、モダンジャズ界を震撼させたブラウン=ローチクインテットのテナー奏者、ハロルド・ランドの未発表作品が50年ぶりに発掘された。「THE HAROLD LAND QUARTET」。メンバーはランドの他にピアノ:エルモ・ホープ、ベース:スコット・ラファロ、ドラムス:レニー・マックブラウンのワンホーン・カルテット。録音された1958年はランドが最も演奏活動が活性化していた時代。カーティス・カウンスに在籍していた時の"Harold in the Land of Jazz""Exproling the Future"ハンプトン・ホーズとの"For Real"などが残されている。このCD過去に発表されていない音源でカナダ・バンクーバーでのライブ。この音源の特長は一曲の演奏時間が長い事が挙げられる。5曲の内、最長27分他の2曲も20分近く最短は1分程度とバラツキがあるのだ。長い曲はランドの冗長なソロは否めず一般化しないと判断されオクラ入りしていたのだろう。しかし当時一緒にプレイしていたE・ホープの演奏がジックリ聴けるのも貴重でまた、エバンストリオに参加する前のラファロのプレイも注目される。曲はジャズメンオリジナルとスタンダードだがランドの後期はコルトレーンの影響下にあってスタイルを変遷したがこれは50年代のオーソドックスなランドの個性をしる演奏。"CHEROKEE""JUST FRIENDS""BIG FOOT" "COME RAIN OR COME SHINE""THE SCENE IS CLEAN"の5曲。録音は良好。
1958.11 Vancouver

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2008年7月21日 (月)

モーリス・ヴァンデールのクロード・ヌガロ特集

Img_1811 ヨーロッパの中でもフランスは古くからジャズを先進的に取入れ、モダンジャズの発展に大きな役割を果たして来た国。代々フランスはジャズスピリットに溢れた優れたピアニストを多く輩出している。アンリ・ルノー、ルネ・ウルトルジュ、マーシャル・ソラル、ジョルジュ・アルバニタ、ミシェル・ルグラン、ミシェル・サルダビー、アラン・ジャン・マリーなどの名が浮かぶ。今回は50年代から活躍しフランスジャズの歴史を作ってきた中心人物の一人、ピアニストのモーリス・ヴァンデールの「NOUGARO sans paroles」。メンバーはヴァンデールの他ベース:ピエール・ミシュロ、ドラムス:バーナード・ルバという三者連名のトリオ。ミシュロとは50年代からの盟友で多くの名演を残しフランスを代表する名プレヤー。タイトルはフランスのシャンソン歌手でジャズに造詣が深かったクロード・ヌガロに焦点を当てた作品。ヌガロは04年物故されたが晩年までヴァンデールと行動していたという。全12曲でジャズメンオリジナルにヴァンデールとヌガロの共作など。曲により挿入されるメロディカ(ピアニカ?)は歌に見立てているのだろうが余計だ。ヴァンデールは往年のバップピアノを駆使し重量感のある安定したピアノで存在感を示し格の違いを見せる。なおこれは1984年の仏OWL盤と同一内容。

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2008年7月20日 (日)

スウェーデンのバップ集団MARMADUKE

Img_1810 スウェーデンの若いバップ集団MARMADUKEの最新作「MARMADUKE/CONFLICTIONS」。この所ヨーロッパ各国で本格的に古典回帰の動きが顕著に見受けられる。ビ・バップやハードバップを指向する若く優れたグループが活躍していることは頼もしい限り。このグループ結成されたのは5年前、地元のクラブなどでグループの活動経験を積んできている。メンバーは特定のリーダーは設定していないようでトランペット:サミュエル、オールソン、テナー:フレデッリク・リンドベリ、ピアノ:マッティ・オリカエネン、ベース:ヴィクター・ファーバッケン、ドラムス:ゴラン・クルーンの2管3リズムのクインテットで保守的に伝統を維持している所がいい。年齢も20代後半から最年長はドラマーの44歳、中心は30代で気力充実のメンバー。C・パーカーを標榜し徹底的に50年代の本物のバップ回帰を追及する姿勢が見事。全10曲の内ガレスピー、T・モンク、B・パウエル、M・デイヴィス、D・エリントンのジャズの巨匠達の5曲にメンバーのオリジナル4曲とスタンダード1曲。どれもジャズの緊張感が張り詰め、刺激に満ちた演奏を展開する。1曲目の"OLD DEVIL MOON"から正統派の生きの良いバップサウンドが炸裂する。
2007.7.18~20

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2008年7月19日 (土)

ベテラン大隅寿男のスウィンギーな作品

Img_1809 ベテランドラマーとして常に第一線で活躍を続ける大隅寿男は若手ジャズメンを鼓舞しながら一貫して分かり易く楽しいジャズを推進して気を吐いている。ピアノトリオでの演奏が多くオーソドックスにスイングして人気がある。今回は大隅が普段着通りの地を行くアルバム「TOSHIO OSUMI/GO WITH THE SWINGI'N」。メンバーは大隅の他、ベース:金子健、ピアノ:岸ミツアキというスイングにかけては申し分ないメンバーが集合。金子とはその後のアルバムでも行動を共にして名演を作っている。岸は本邦でも屈指のスインガーとして知られていてこの後海外を含めリーダー作をリリースして人気実力とも飛躍を遂げる。このCDを聴くと改めてジャズの原点はスイングである事を再認識させられる。これはモダンジャズの魅力を最大限に発揮された作品として評価される。曲は全13曲。大隅のオリジナル1曲の他は知られたジャズメンオリジナルとスタンダード。中でもボビー・ティモンズの"MOANIN'""DAT DERE"の2曲が目をひきファンキームードが横溢した演奏。岸の好演を支える大隅のブラッシュワークが終始冴え渡っている。
1998.5.19

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2008年7月18日 (金)

サル・ニスティコ熱演に感動

Img_1808 数少ないリーダー作やサイドメンに参加して存在感を示し、一部のファンから愛されたテナー奏者のサル・ニスティコ。60年代初期に残したリバーサイド、ジャズランドの2枚のリーダー作はニスティコが真価を発揮したアルバムとして知られている。80年代に渡欧し母国に帰らないままオランダで客死した悲運のジャズマン。今回は渡欧前に米西海岸のジャズクラブでのライブ盤「SAL NISTICO Live」。ニスティコのジャズ界の本格的なデビューは"ジャズ・ブラザーズ"でその後ビッグバンド畑で永く過ごしソロイストとしてはさして注目されなかった。渡欧してからサイドメンとして参加したアルヴィン・クイーンとダスコ・ゴイコヴィッチ名義の"A DAY IN HOLLAND"が気合に入ったニスティコの充実したプレイが聴ける。このCDのメンバーはニスティコの他ピアノ:マーク・レヴィン、ベース:ピター・バーシャイ、ドラムス:ボビー・ローゼンスタインのワンホーンカルテット。レヴィンはここのハウスピアニストのようで他はローカルジャズメン。レヴィンは既にトリオの作品を残していてオーソドックスな実力派ピアニストとしての評価は高い。ニスティコは引き締まった音色で情熱的で熱気溢れるソロは圧倒的な迫力に満ちている。曲は全5曲で4曲は10分以上の長尺。スタンダーど3曲にH・モブレーのオリジナルとニスティコのオリジナル1曲。一心不乱に吹奏するニスティコのプレイが印象に残る。自身のオリジナル"Backlog"で気迫に溢れたニスティコの入魂のプレイが聴ける。
1981.2.1 Douglas Beach House , Half Moon Bay ,CA

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2008年7月17日 (木)

70年代世良譲のライブセッション

Img_1806 今回は70年代の本邦ジャズ界が今日の隆盛の礎を築いた時代の懐かしい作品。「SERA/live at birdland」。メンバーはピアノ:世良譲、ベース:木村新弥、ドラムス:清水閏の最強トリオ。本邦のジャズの歴史と共に歩んできた3人のリラックスしたセッションだが3人とも他界された。録音した六本木バードランドは30年以上に亘りライブ活動してきた名店。この作品は開店間もない頃のものでインティメイトな雰囲気が見事に捉えられている。とかくジャズは革新性が取り沙汰されるが気軽にジャズを楽しむエンタテイメントの二面性がある事も確か。決してカクテルピアノにならずにジャズのスピリットを失わないのが世良の技量。バードランドの当時の切抜き広告を見ると懐かしい名前や出演メンバーで故人が多くなり時の流れを感じざるを得ない。曲は全6曲、スタンダード中心で1曲ミルト・ジャックソンのバグス・グルーブと店に因んでシアリングのララバイ・オブ・バードランドを取上げている。世良の卓越したテクニックとスタンダードの絶妙な解釈は他の追随を許さない見事なもので世良の真骨頂が発揮される。木村の重厚ナベースとバップドラマー清水のブラシュワークにのったスイング感はモダンジャズの神髄を極める。G・シアリングの名曲"LULLABY OF BIRDLAND"やスタンダード"IT COULD HAPPEN TO YOU"はリラックスした好セッション。また"SMILE~WHEN YOU 'RE SMILING"の3曲はメドレーで演奏されるが世良ならではの持ち味が出たプレイ。
1975.11.13 Birdland
                            Img_1807

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2008年7月16日 (水)

トランペッター、リッチー・ヴィタリの初リーダー作

Img_1805 NYジャズシーンで中心的に活躍しているトランペッターのリッチー・ヴィタリだがリーダー作がスイス拠点のTCBレーベルなので入手しにくい。07年には本邦のアルト奏者の大森明&New York Friendsの一員で来日を果たし広く名が知られた。今回はリッチーの初リーダー作「RICHIE VITALE QUINTET/DREMSVILLE FEATURING GARY BARTZ」。メンバーはリッチーの他アルト:ゲーリー・バーツ、ピアノ:タード・ハマー、ベース:ジョン・レイ、ドラムス:タロー・オカモトのクインテット。リッチーは2管編成を得意としていて気心の知れた仲間とのセッションでハードバップ一直線の気合が入った作品。リッチーはブリリアントでダイナミックな音を出ししかも良く唄うソロが特長。さすがにジャズトランペット界の著名なハードバッパーを長年聴き込んで身に着けた音は本物。ゲーリーもハードバップに専念してオーソドックスなジャズを展開してリッチーを盛り上げて好演している。全9曲でリッチーがオリジナル4曲にジャズメンオリジナル3曲にスタンダード2曲。ハードバップムンムンする白熱の演奏が聴き所K・ドーハムの"ASIATIC RAES"はロータス・ブロッサムと同名曲。リッチーのオリジナルのバラード"WHEN LAST I SAW YOU"はフリューゲルホーンでリリカルに演奏される印象的な曲。

1988.10.25

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2008年7月15日 (火)

ヨーロッパジャズメンのジミー・ウッドに捧げた作品

Img_1804_2 スイスのアルトの逸材ジョージ・ロバートの呼びかけで実現したヨーロッパを代表するジャズメンが集合して作られた「A TRIBUTE TO JIMMY WOODE」タイトル通り米国、欧州で活躍した偉大なベーシスト、ジミー・ウッドに捧げられたもの。集まったメンバーはトランペット,フリューゲルホーン:ダスコ・ゴイコビッチ、テナー:アンディ・マギー、ピアノ:ダド・モロニ、ベース:レジー・ジョンソン、ドラムス:ピーター・シュミドリンにゲスト参加のジョージ・ロバートが曲により参加する5,6重奏団という錚々たる顔ぶれ。特定のリーダーは存在しないが一糸乱れぬ演奏が展開され正にベテランといえる。ライナーによれが当初ウッドのヨーロッパジャズ隆盛の功績に対してウッドをリーダーとする作品を念頭に置いていたがウッドの急逝でトリビュート作品になったという。各人の思いが込められた熱いものが感じられるアルバム。ウッドは60年代の欧州に渡って数々のセッションをこなし無数の参加アルバムがある。地味ながら堅実なベースワークと無類の安定感が多くのジャズメンに受け入れられたたのだろう。曲は全8曲。ダスコが2曲オリジナルを提供。ジャズメンオリジナルはウッド、エリントン、マイルス4曲にスタンダード2曲でダスコのオリジナル以外は良く知られた有名曲。1曲目のダスコの"MIDNIGHT BLUES"からドライブのきいた見事な演奏。エリントンの"SOPHISTICATED LADY"でマギーが情感を込めてバラードをまたダスコがマイルスに捧げた"BALLARD FOR MILES"でのミュートプレイは素晴らしい。モロニ・トリオで演奏されるウッドの"MY KIND OF WORLD"はインテンポに入ってダイナッミックにスイングして好演。
2005.8.15 Geneva

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2008年7月14日 (月)

F・ウェスとJ・マンスの共演

Img_1779_2 テナー・フルート奏者のフランク・ウェスとピアノのジュニア・マンスが共演したライブセッションの紹介。「OPUS DE FUNK/JUNIOR MANCE & FRANK WESS」。メンバーはテナー・フルート:フランク・ウェス、ピアノ:ジュニア・マンス、ベース:マーティン・リヴェラ、ドラムス:アルヴィン・クイーンのカルテットで米国で超一流のジャズメン達。マンスのトリオはレギュラー活動していて安定感抜群のトリオ。 タイトルの"OPUS DE FUNK"は50年代初期のファンキージャズはしりの古典的な曲でピアニスト、ホレス・シルバーの作品。古くはSAVOYにウェスの名演がある。ファンキー、ソウルフルなどアーシーなピアノを弾くマンスとは絶妙な顔合わせ。このライブ、80年代後半から90年代にかけて一流ジャズメンを招いて盛んにライブ活動をしていた東京のGood Day Clubでの録音。J・マンストリオやシダー・ウォルトントリオの他、ヴォーカルものなどインテメイトな雰囲気での極上のライブ録音が残されている。ウェスはビッグバンドで鍛えた豊かな経験をもとにフルート、テナーを駆使しジャズの心を伝えた人。マンスのブルージーなフィーリングは比肩できるものがない独壇場といえる。全9曲。1曲のみウェスのオリジナルの他スタンダードなど良く知られた曲で馴染める。"EASY LIVING"はウェスのテナーでのバラードゆったりしていながら情感が伝わる。"Alone Together"は意表をついてバサノヴァでフルートの音色が雰囲気を出す。タイトル曲の"OPUS DE FUNK"はウェスの定石通りフルートで貫禄の演奏を披露しマンスはソロとらない。
1991.4.27 At Good Day Club

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2008年7月13日 (日)

山見慶子の隠れた名演

Img_17781 本邦のメジャーレーベルからリリースされないため一部のジャズファンしか知られていないピアニストの山見慶子。過去に自主制作で3枚をリリースしているが過小評価の域を免れない。山見の活動拠点はライブハウスを中心にしているのでそれが影響している。今回は山見の2作目のリーダー作「YESTERDAY'S DREAM/keikoYamami&FriendsⅡ」。メンバーはベース:水橋孝、ドラムス:マイク・レズニコフのトリオにテナーにQ・石川が曲により参加したトリオ、カルテット。この内水橋とQ・石川は初作でも行動を共にしていて一体感は申し分ない。山見の演奏スタイルはオーソドックスで良くスイングし正にモダンジャズの王道を往くもの。ちゃらちゃらとムダな音を使わずどっしりと腰の据わったピアノを弾きカクテルピアノとは一線を画すもの。曲は山見のオリジナル1曲の他10曲はスタンダード中心でボサ、ブルースなど山見流に弾きこなすのも大きな魅力。全体的にQ・石川の豪快なテナーと山見の趣味の良いピアノがブレンドして大人のジャズを演出している。"MY ONE AND ONLY LOVE"ではQ・石川のバラードプレイはベテランの味。トリオの"FLY ME TO THE MOON"のスイング感は見事。山見のオリジナルブルース"K'S BLUES"は山見のジャズの資質を全面に出した力作。Q・石川から山見のブルージーな演奏は気合の入った名演。"AUTUMN LEAVES"ではQ・石川のテーマーからアドリブパートへ,石川、山見のソロは見事に尽きる。この演奏は枯葉の名演に挙げられる。タイトル曲の"YESTERDAY'S DREAM"はトリオの美しく魅惑的な演奏で余韻が残す。
山見慶子(p)水橋孝(b)マイク・レズニコフ(ds)Q・石川(ts)1997.6.16,17

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2008年7月12日 (土)

チェット・ベイカーのスウェーデン録音

Img_17761 チェット・ベイカーは75年頃から演奏活動の拠点をヨーロッパに求めた。その活動範囲は多岐に亘り、残された無数の音源はフランス、イギリス、ドイツ、イタリア、デンマーク、ベルギーなどヨーロッパ各国に及ぶ。今回はスウェーデンDRAGONレーベルの「CHET BAKER LIVE IN SWEDEN with AKE JOHANSSON TRIO」。チェットの欧州録音はワンホーンが多く残されているがこれもその一つ。デュオ、トリオでピアノレスやドラムレスなど色々な編成も多いがこれは最もオーソドックスな編成。サイドメンのアケ・ヨハンソントリオは本国でも有能なトップジャズメンとして知られていてチェットによっては願ってもない布陣。後にリリースされたCDではオリジナルに加え3曲追加されている。全5曲。一曲目、J・J・ジョンソンの有名な"LAMENT"からチェットのバラードプレイは淡々と情感をこめて演奏する。2曲目,スタンダード"MY IDEAL"で得意のヴォーカルが聴ける。過去にストリングスを加えた作品で同名タイトルの"YOU CAN'T GO HOME AGAIN"はセンシティブ溢れた唄い上げとヨハンソンのソロと共に印象に残る演奏。
CHET BACKER(tp,vo)AKE JOHANSSON(p)KJELL JANSSON(b)GORAN LEVIN(ds) 1983.9.29

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2008年7月11日 (金)

A・ブレーキーに捧げたドナルド・ハリソン

Img_1775 80年代の一時期アートブレーキー&ジャズメッセンジャーズ(JM)に在籍していたアルト奏者のドナルド・ハリソンが御大が他界したひと月後の追悼作品といえる「Donald Harrison Quintet/For Art's Sake」。タイトル曲はA・ブーキーに捧げられたもの。メンバーはハリソンの他トランペット:マーロン・ジョーダン、ピアノ:サイラス・チェスナット、ベース:クリスチャン・マクブライド、ドラムス:カール・アレンの2管クインテット。ハリソンはJMに在団していたのはアルバム上では82~85年の約3年間。フロント陣はテレンス・ブランチャードとテナーにジーン・ツーサンやビリー・ピアースらがいた。タイムレスやコンコードなどに多数のライブ盤があり有能な若手を擁してジャズシーンに活力を与えていた。今回のフロントを形成するジョーダンはハリソンとは同郷でニューオーリンズ出身の当時弱冠二十歳の若者。以降ジョーダンは飛躍を遂げるがこれは初期の作品。曲はエンディング曲を除けば6曲で長尺演奏が多い。一曲目のマイルスの"SO WHAT"でモード奏法を展開するが全体的に正攻法の主流派の演奏。17分に及ぶ"SOFTRY AS IN AMORNING SUNRISE"はハリソン、ジョーダンの気迫と5人が一体となった演奏が見事。"IN A SENTIMENTAL MOOD"はハリソンのバラードが印象に残る。御大に捧げた"FOR ART'S SAKE"JMを彷彿させるファンキーな曲でジョーダンの白熱の演奏に圧倒されこのアルバムの白眉。これは実力を持った気鋭5人の入魂の一枚。
1990.11.9,10 At Birdland

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2008年7月10日 (木)

本田竹曠絶頂期の演奏

Img_1774 70~80年代の本邦ジャズシーンを怒涛の如く駆け抜け新しいジャズの旗手として君臨したピアニストの本田竹曠。本田のピアノは豪快さと繊細さの両面を表裏一体化して孤高の世界を描く無類のピアニスト。今回は世紀のドラマー森山威男を迎えたピアノトリオで80年代中期の代表作「MY FUNNY VALENTINE」。本田得意のスタンダード集。このCD永く廃盤になっていたが本田没後の追悼盤として再発されたがジャケットは変っていてこれがオリジナルデザイン。本田のスタンダード集では72年の「THIS IS HONDA」に集約される。このCDもこれに匹敵するスタンダード集で三者一体のピアノトリオでジャズの醍醐味をストレートに表現した作品集。ブルージーで情感を湛えたピアノは他の比肩を許さない。全8曲でT・モンクとM・タイナーのオリジナルの他はスタンダード。本田の気力に溢れた熱気充満の演奏に引き込まれる。森山のドラミングが本田を一層鼓舞している。"On Green Dolphin Street""Stella By Starlight""The Shadow Of  Your Smile" "My One And Only One" "Round About Midnight"などおなじみの曲が親近感を呼ぶ。バラード"My One And Only Love"での本田の入魂のプレイと森山のブラシュワークはジャズの本流を行くもの。2006.1.13他界された。享年60。
本田竹曠(p)井野信義(b)森山威男(ds)1985.4.3,4 CBSソニー信濃町スタジオ

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2008年7月 9日 (水)

テッド・ブラウンは健在

Img_1773 テナー奏者テッド・ブラウンの名を殆んど聞かなくなった。かつて、50年代中期にクールジャズの鬼才L・トリスターノの影響下にあって黒人ジャズとは一線を画すスタイルを標榜していた。ヴァンガード盤"フリー・ホイーリング"や同類のテナー奏者ウォーン・マーシュのインペリア盤"ジャズ・オブ・トウ・シティーズ"が名演として知られている。今回は80年代後期のオランダBLUE JACK盤「Hod O'Brien Quartet  Featuring Ted Brown/I hear rhapsody」。Blue Jackのいい所はスタイルにとらわれないで取上げる所。先般はサル・モスカの久し振りのリリースに驚かされた。このCD、H・オブライエンのリーダー作だが全面的にブラウンを大きくフィーチャーしていてテッドのリーダー作でもおかしくない。テッドはもともと寡作家なので名が浸透せず忘れられてしまう。これはBlueJackの"FORGOTTEN TAPES Series"の一枚。サイドメンはオランダの50年代の伝説的なコンボ"ダイヤモンド・ファイヴ"のベース:ジャック・ショールズ、ドラムス:ジョン・エンゲルスで50年代のジャズ全盛期を体験している布陣。ここではメンバーからオーソドックスなジャズに徹している。テッドはこの作品の前にオブライエンを含めたメンバーでクリスクロスに録音していて呼吸はぴったり。テッドのレスター流の滑らかなフレーズと柔らかい音色、独特のスイング感は健在。往年の片鱗を随所に見せる。バッキングするオブライエンはハードバップの神髄を思わせるメロディックなソロは全曲に亘って展開され、テッドを側面から支えている。これはテッドの近年の傑作。全8曲でスタンダードとジャズメンオリジナルで古いパーカーらのバップナンバーが演奏される。
Ted Brown(ts)Hod O'Brien(p)Jacques Schols(b)John Engels(ds)1987.10.2 Amsterdam

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2008年7月 8日 (火)

JOHN MARSHALLの最新作

Img_1772 米国出身でドイツに滞在する白人トランペッターのジョン・マーシャルがこの所オランダBlueJackやデンマークorganic musicからコンスタントに新作をリリースしている。F・ナバロ、C・ブラウン、K・ドーハムに触発され、中庸を往く甘い音色と歌心を加味したスタイルでハードバップ路線を踏襲している。今回はorganic musicの「JOHN MARSHALL QUINTET/Live At "Le Pirate"」。2管3リズムのクインテットで最近のハードバップ作品ではピカ一ではないか。生粋のハードバップコンボが少ないだけにジョンの活躍はハードバップ健在を示している。このCDのメンバーはフロントを形成するテナーは前作同様グラント・スチュアートで呼吸もピッタリ。ピアノとベースも前作と同じでドラムスのみマーク・テイラーに変わっている。殆んどレギュラーメンバーといってよい。革新性は希薄だが安定性では絶対的な魅力を秘めたコンボ。スチュアートの太い音色とマーシャルの中音域を活かした音がブレンドして大人のジャズを演出する。全8曲でマーシャルのオリジナル1曲にジャズメンオリジナル5曲とスタンダード2曲の程よい選曲。”Poor Butterfly"でスチュアートが"Embraceable You"でマーシャルがフィーチャーされるバラードは印象に残る見事なソロ。
John Marshall(tp,flh)Grant Stewart(ts)Tardo Hammer(p)John Goldsby(b)Mark Taylor(ds) 2007.5.11,12 Rosenheim

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2008年7月 7日 (月)

80年代のFOUR SOUNDS入魂の一枚

Img_1771 80年代後期に"FOUR SOUNDS"という硬派の四人が対等な立場で結成したコンボが存在した。メンバーはテナー:峰厚介、ピアノ:板橋文夫、ベース:井野信義、ドラムス:村上弘寛の四人。形の上ではテナーのワンホーンになっているが演奏パターンはまるで違う。四人が対等に相互に刺激し合いながら昇華させて完成度を上げて行く。セオリーは無く緊張感と刺激性が存在する。FOUR SOUNDSの作品は2枚残されていて今回は最初のもので1989年の「FOUR SOUNDS Live at MOBS」。メンバーの四人は共に60年代以降の本邦ジャズシーンの中核を担い数々の歴史を刻んできた名手達。中心メンバーの峰は今でも新録をリリースしていて自己のコンボで精力的にライブをこなし衰えを感じさせない。全6曲で峰のオリジナル1曲に板橋、井野が各2曲とスタンダードが1曲。このグループにはやはりオリジナルが似合う。どのオリジナルもグループカラーが全面に出ていて聴き応えがある。スピード感と繊細なメロディ感覚、情感がほとばしる様はまさに圧倒的。四人の緊張感と迫力は見事で板橋の好演が光る。これはFOUR SOUNDSの歴史を飾る一枚。
1989.1.17,18 at MOBS Tottori

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2008年7月 6日 (日)

ケニー・バロンの欧州録音

Img_1770 米ジャズ界で現在でも活躍している著名なベテランピアニストではバリー・ハリス、シダー・ウォルトン、ホッド・オブライエンとケニー・バロンらがまず浮かぶ。いずれも古さを感じさせず若さを維持した演奏には敬服する。中でもケニーはNYジャズ界の中心といえる。今回はK・バロンの英国WAVEレーベルのライブ盤「THE ARTISTRY OF KENNY BARRON」。トリオ編成を得意とするケニーの真価が発揮されたもの。ケニーは過去にMUSE, Enja,Verve, RESERVOIRなど色々なレーベルにリーダー作をリリースしているが一つも駄作が無い。改まって小難しい事を考えないで自然体で演っているのがいい。妙に気取らず、これが百戦錬磨から出た安定感。このCDのWAVEはベーシスト、ピーター・インドが主宰するレーベルで自身もベースを弾いている。曲は全6曲でスタンダードとジャズメンオリジナル。1曲あたり10分を超えるものが4曲、他の2曲も9分程度と長くとられていてケニーのプレイが存分に聴ける。1曲目"黒いオルフェ"から軽快なボサリズムに乗って好調なアドリブが続く。"Like Someone in Love"はミディアムテンポでストレートのテーマからアドリブパートへ流麗なソロが見事でインドのベースソロが入る。ケニーは良くT・モンクの曲を取上げる。ここでは"Rhythm-A-ning""Well You Needn't"の2曲でどれも見事に尽きる。バラード"Lover  Man"でP・インドの分厚いベースがフィーチャーされる。
Kenny Barron(p)Peter Ind(b)Mark Taylor(ds) 1990.3.21 Bass Clef

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2008年7月 5日 (土)

ハードバップに燃えた70年代の今田勝

Img_1769 ピアニスト今田勝は70年代から活躍している大べテランのジャズマン。かつてTBMレーベルで中核的な役割を果たし数々のリーダー作を連発して不動の地位を確立した。今回は今田の初期の作品でトリオのリサイタルを収録した「ASCENT/IMADA MASARU RECITAL LIVE」。国内盤では少ない2枚組(後に単品で再発)で出た。1枚はピアノトリオ、もう一枚は2曲にウェストライナーズ時代の盟友にコンガを加えたセクステット。今回は後者の紹介。2曲にフィーチャーされるテナーの三森一郎、トランペットの伏見哲夫の2管の圧倒的に燃えたソロは感嘆に値する。今田トリオのメンバーのベース、福井五十雄、ドラムスの小原哲次郎は歴史が浅く派手さないものの実力を持った若手。この当時、日本のジャズが大ブレークしていて熱気が伝わってくる。全4曲。B-1のテナー、J・ヒースのオリジナル”Quarter”から三森、伏見のハードバップ全開の白熱のソロが展開されて興奮する。O・ピーターソンの名曲”自由の賛歌”などどれも一級の素晴らしい演奏に終始する。80年代に入って今田はフュージョンの世界に投じてジャズ的な魅力を失ってしまうがハードバップに心酔し情熱を傾けていた当時の貴重な演奏といえる。
1974.3.9 新宿 厚生年金会館小ホールで録音

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2008年7月 4日 (金)

バップドラマー渡辺文男の最新作

Img_1767_2 ハードバップドラマーの渡辺文男が「Born To Be Music」以来6年振りに新作をリリースした。前作は2管3リズムの典型的なバップスタイルだった。今回はレギュラー活動しているピアノトリオで昨年12月録音のホヤホヤのもので渡辺の近況が聴ける。タイトルは「ALL OF US/FUMIO WATANABE」。忌憚なくありのままに率直に表に出したアルバム。他のメンバーはバップピアノに定評のある吉田桂一。最近自己のトリオで2枚の秀作をリリースして最も油が乗っている。その前はアルトの小川高生のグループでバップコンボのキーマンとして屋台骨を支え、ここでも明快なシングルトーンは群を抜く旨さは見事。ベースが佐々木悌二で1曲に鈴木良雄が変わる。何の変哲もないピアノトリオだがバップのエキスが隅々まで浸透していて興奮してくる。渡辺のドラミングも豪快というより堅実無比の要所を押さえたテクニックでプッシュする。全9曲でC・パーカー、T・ジョーンズ、B・パウエル、S・ロリンズなど錚々たるジャズメンのオリジナルが並びバップの挑戦の意気込みが伝わってくる。渡辺文男トリオが気負わずに自然体でストレートに捉えているところが好ましい。注目されにくいがこうした地についたジャズに愛着を感じてしまう。
2007.12.1,2録音

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2008年7月 3日 (木)

小林陽一NY修行の決定版

Img_1768 80年代前半にジャズ修行でNYに渡ったドラマーの小林陽一は徹底的な現場主義を貫いて技を磨いた努力の人。滞在中に交流したジャズ仲間との成果を披露したアルバム「YOICHI  KOBAYASHI&NY.BE-BOP WHAT'S THIS」。帰国後は”ジャパニーズジャズメッセンジャーズ”や”グッドフェロー”を率い、一貫して本場仕込みのハードバップを推し進めジャズ界にインパクトを与えている。すでに”グッドフェローズ”で数作のリーダー作をリリースして実力を不動のものにしている。このCD、参加者はNYに集まる名より実の草の根集団の7人。7人は曲により編成が変わる。メンバーのうち、一応名が知れているのはテナーのジュニア・クック、ピアノのベニー・グリーン、ベースのロニー・プラキシコ位か。全8曲で1曲にE・ブレーキーのヴォーカルが入る。1曲目のH・ハミッドのオリジナル"WHAT'S THIS"からバップ臭濃厚なテーマから各人の入魂のソロが展開される。ソロイストを猛烈に鼓舞する小林のドラミングは見事に尽きる。他はスタンダードと小林のオリジナルで良く取上げる"CALTURE SHOCK"ではクックはベテランの貫禄を示す。飛躍する前のB・グリーンのピアノは片鱗を随所にみせる。バップナンバーの"CHEROKEE"でのアップテンポに乗って緊張感漂うソロと小林のドラムソロがフィーチャーされ、本場のハードバッパーの実力を示した演奏。"WE'LL BE TOGETHER AGAIN"ではトランペットのハミッドをフィーチャーしたバラード。ハミドの抑制の効いた音でジックリ歌い上げ印象的な演奏で終わる。

HASSAN HAMMID(tp)CLARENCE SHARPE(as)JUNIOR COOK(ts)BENNY GREEN(p)LONNIE PLAXICO(b)YOICHI KOBAYASHI(ds)CARLOS AVELARES(per)EVELYN BLAKEY(vo) 1984.10.11 NY

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2008年7月 2日 (水)

ドン・バイアス晩年のワンホーン

Img_1766 ハードバップが開花する50年代以前に渡欧し伝説的に語られるテナー奏者のドン・バイアス。ドンの全貌を紹介したアルバムは60年代にわずかあるのみで知名度は今ひとつ。ビ・バップの黎明期にD・ガレスピー、C・パーカーらと共演してバップの洗礼を受けていた一人として知られている。46年に欧州ツアー後は現地に滞在してしまう。70年に一度帰米するがまた欧州に戻り72年59歳で生涯を閉じた。今回は数少ないドンのアルバムからデンマークのStoryville盤「DON BYAS QUARTET/Feat. Sir Chales Thompson」。1967年録音のドン後期のワンホーン。ドンのテナーはC・ホーキンスの亜流と捉えられているがよりモダンで洗練されたサウンドは古さを感じさせない。1曲に適度な時間を取り保守的ながら力量のあるジャズマンを感じさせる。ピアノのトンプソンとは古き時代に共演した仲。トミフラばりの趣味の良いバッキングでドンを鼓舞する。他のサイドメンはスイスの二人。ベースにイスラ・エッキンガー、ドラムスにピター・シュミドリンという欧州の有力ジャズメンで固め申し分ない布陣。曲は全10曲。スタンダード中心でバリバリ吹く力感溢れる演奏は爽快。1曲目の"枯葉"から快調にブローし"Tenderly""Loverman""Darn That Dream"に見せるバラードのうまさは非凡さをうかがわせる演奏。
1967.4.29 Live in Baden

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2008年7月 1日 (火)

マーク・モルガネリ、ワンホーンの快演

Img_1765 かつて60年代に旋風を巻起した米のCANDIDレーベル。再び90年代に復活し中庸を往くオーソドックスな作品を残した。特にNYのクラブ、新生バードランドでのライブを記録した諸作にはトランペッターのマーク・モルガネリがプロデュースした。今回は彼自身が出演した「Mark Morganelli and the Jazz Forum All Stars/Speak Low」。マークがオーナーのジャズクラブ"Jazz Forum"の名に因んで冠したコンボ。リズムセクションはピアノ、ケニー・バロン、ベース、ロン・カーター、ドラムス、ジミー・コブという現代版オールアメリカンリズムセクションというべき豪華な布陣。マークのC・ブラウン系のブリリアントなソロはかつて50年代のハードバップの熱き時代を思い起こさせる見事なもの。曲は全9曲。マークが2曲とバロン、カーターがオリジナルを各1曲。他にサド・ジョーンズの1曲ほかスタンダード。タイトル曲や”SUMMERTIME"は4ビートのダイナミックにスイング。"When T FALL IN LOVE"のフリューゲルホーンのバラードも印象に残る演奏。各人のオリジナルも親しみ易い。
1990.6.13 Birdland NYC

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