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2007年7月

2007年7月31日 (火)

スイングテナーの第一人者右近茂のリーダー作

Img_1293 日本のスイングテナー・クラリネットの第一人者、右近茂はハートウォーミングな音色、抜群なスイング感と唄心は他に類を見ない程の魅力を持ち合わせた稀有な存在。2001年アートユニオンからリリースされた右近の初リーダー作「Ukon At Ease/Shigeru Ukon」は彼のジャズスタイルを知る上で重要なCD。メンバーは日頃からセッションで共演しているメンツでピアノ岸ミツアキ、ベース古西忠哲、ドラムス山下暢彦のカルテットにギター田辺充邦が参加するクインテットで人気実力を持つ売れっ子軍団。右近はかつて世良のカルテットや北村英治、谷口英治らとモダンスイングでリラクゼーションに満ちた流麗なクールトーンで人気を博し、まさに都会的な洗練されたサウンドだ。白眉は右近がフロントを務めるワンホーン。岸のトリオをバックに右近の流麗でクールなフレーズに魅せられる極上の仕上がり。さらにギターを加えたクインテット、ドラムレスカルテット、デュオなど多彩な編成で右近の実力に迫る構成は魅力十分。演奏曲は全11曲。ワンホーン5曲、ギター入りクインテット2曲、ドラムレスカルテット2曲にギター、ピアノデュオ各1曲でスタンダードを取上げている。ワンホーンのボサノバ"DESAFINADO~A GIRL FROM IPANEMA"ではゲッツを彷彿とさせるクールサウンドを展開する。その他"INDIANA""ONCE IN A WHILE""EAST OF THE SUN""TWO SLEEPY PEOPLE""ANGEL EYES"など。
2001.7.2,3 ART UNION ARTCD-102

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2007年7月30日 (月)

ベーシスト金子健の傑作アルバム「Ken's Trio+1」

Img_1291_1 我が家最後の夏、4メートル程に伸びたツルに西洋アサガオの”ヘブンリーブルー”が淡いライトブルーの清楚な花が咲き始め清涼感が漂う。さて本題。日本のマイナーレーベルが姿を消している中、”ホワッツニュー”はコンスタントに興味深いアルバムをリリースしている注目のレーベル。そのホワッツニューから堅実無比の中堅ベーシスト、金子健の自己のトリオにゲストプレヤーが参加したファーストアルバム「I Like It !/Ken's Trio + 1」を紹介します。メンバーは金子の他ピアノに若手の逸材田村和大、ドラムスに地味ながらうまさ抜群の井川晃のトリオに気鋭のギタリスト岡安芳明が加わる。このCD、金子が長年蓄積して来た音楽的ヴィジョンの発露として結成されたようで最初の記念すべきもの。金子は長年に亘り山本剛や大隅寿男といった日本を代表するトッププレヤーのサイドメンとして人気コンボを側面から支えて来た名手でリーダーの信頼度は絶大。ベーストリオというと弓で長々とギコギコ聴かされると辟易するものだが金子のトリオは決して突出する事無く、メロディアスなソロと田村のピアノ井川の絶妙なドラミングのバランスがとれている。ゲスト参加の岡安のブルージーなギターが金子の力演に華を添える。これは中堅若手が理想的な形で昇華しジャズスピリットに満ちた充実した作品といえる。この後、Ten's Trioはトリオのみでセカンドアルバムをリリースして元気な所をみせており今後の活躍に期待がかかる。演奏は全9曲。メンバーのオリジナル3曲、スタンダードやジャズメンの曲6曲。岡安は2曲にゲスト参加。曲"Ain't She Sweet""Ray's Walk""Golden Earrings""Two RB's""See You Soon""Blue Mosaic""Bass Face"など。"Golden Earrings"は金子のベースのテーマからソロと入魂の一曲。"See You Soon"は田村のバラードプレイが光る。岡安参加の"Two RB's"は岡安のブルージーなギターはグルーブ感が出た見事な演奏。
2004.10.25.26,27 What'New Records WNCJ-2143

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2007年7月29日 (日)

ドラマー、「ジミー・スミス&フレン ズ」の渋い傑作

Img_1288 日本のメジャーレベルから出た国内盤では地味で渋い部類に入るCD。ドラマー、ジミー・スミスのリーダー作で出来は出色もの。リリースは古く1991年でとっくに廃盤だ。日本録音の「JIMMIE SMITH AND FRIENDS/Teach Me Tonight」。J・スミス中心の邦人リズムにゲストでフロント陣に邦人プレヤーが客演した豪華な布陣。ジミーは古くはO・ピーターソン、E・ガーナー、H・ジョーンズのバックを務めたドラマー。華々しさよりもセンシティブとダイナリズム、スイング感と唄心が持ち味で側面からプレヤーを鼓舞する見事なドラミングは本場の凄さを感じさせる。メンバーはジミーの他ギター小西徹、ピアノ塚原小太郎、ベース柴田良宏のカルテットが軸。派手さを排し実直で堅実無比のメンバーが成功の秘密。このカルテットに日本を代表するトッププレヤーが客演。クラリネット北村英治、アルト五十嵐明要、ヴァイブ大井貴司らが曲ごとに参加しクインテットやセクステットに拡大する。4リズムに支えられてゲストプレヤーの個性を活かした実力通りの見事な演奏はまさにベテランの術。これは肩肘張らない自然体の絶妙な演奏。カルテットで大きくフィチャーされるギターの小西はアルバムが少ないだけにここでの入魂のプレイは実力を示したもので貴重。特にB・ゴルソンの"DOMINGO"でのブルージーな演奏は白眉。五十嵐のアルトの美しさは健在。演奏は全12曲でJ・スミス・カルテットで6曲、北村英治客演のクインテットで2曲、五十嵐明要客演のクインテットで2曲、大井貴司客演のクインテット1曲、北村、大井客演のセクステット1曲。"TAKE THE A TRAIN""ALL OF ME""JUST SQUEEZE ME"TEACH ME TONIGHT""WHISPER OF THE RAIN""DOMINGO""EXACTLY LIKE YOU""SPEAK LOW""I'll REMEMBER APRIL"他
1991.3.17 キング KICJ-58

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2007年7月28日 (土)

オランダBlue JackのForgottenTapeシリーズ

Img_1286 オランダのBlue Jackレーベルの”Forgotten Tape”シリーズには興味深いアルバムがラインアップされていて目が離せない。その1枚、ギタリストの故ウィム・オーヴァーガウの「Wim Overgaauw Quartet/Just Friends」。オランダ・ハーグのライブを収めたもので録音状態は完璧ではないが貴重性から復元されたもの。メンバーはウィムの他ピアノホッド・オブライエン、ベースハリー・エメリー、ドラムスジョン・イーグルスのカルテット。オブライエン以外はオランダのジャズメン。ウィムは60年代オランダの名ピアニスト、ピム・ヤコブスのトリオに長く在籍して名作を残した事で知られており親しみ易いギターのうまさは絶品。このセッションの目玉はホッド・オブライエンの参加にある。最近米レザボアからライブ3部作の完結編をリリースして気を吐いているがBlue Jackの注目作と無関係ではなさそうだ。バップに根差した本格ピアノは迫力十分。ベース、ドラムスも渡欧した米ジャズメンと共演を重ねて実力を磨いた名手。J・イーグルスは60年代、オランダのバップバンド”Diamond Five”のドラマーを務め来日経験もあるベテラン。演奏は全6曲でC・パーカー2曲にC・ウェイン1曲とスタンダード4曲。ベテラン4人がジャムセッション風に得意のバップナンバーやスタンダードをリラックスしてのびのびとアドリブソロに集中した熱気が伝わって来る。各人のソロを大きくフィーチュアーされ、演奏時間もほどほどの長さでも冗長せず白熱した演奏が聴き所。
曲目は"Billie's Bounce""But Beautiful""Just Friends""Solar""I Can't Get Started""Dexterity"
1986.12.21 Blue Jack BJJR 009 

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2007年7月27日 (金)

ドラマー、ジミー竹内の音楽生活50年記念アルバム

Img_1278 日本のジャズシーンを支えて来たドラマーとして思い浮かぶのはジョージ川口、白木秀雄、猪俣猛らがまず浮かぶ。これらのドラマーと遜色ない実力派のドラマーが今日紹介するジミー竹内。これらの人達は日本のジャズの発展はもとより強い影響力で和ジャズ隆盛の礎を築いて来たのも事実。ただジミー竹内はリーダーとしての活躍が無かったのが人気の点で地味に映った事は否めない。今回は1996年ジミー竹内の音楽生活50周年記念アルバム「Jimmy Takeuchi/JIMMY THE DRUMS」を取上げます。ジミー竹内のキャリアをひもといてもドラマー人生の偉大さが分かる。原信夫シャープス&フラッツ、鈴木章二とリズムエース、渡辺晋とシックスジョーズ、世良譲トリオなどビッグバンドやスイング、モダンとバーサタイルなドラムスタイルがジミーの魅力でいわばジャズの屋台骨を支えて来たドラマー。ある時はセンシティブにある時はダイナミックとジミーのドラムは心臓の鼓動の如く刻む正確なタイム感覚、生き生きとメンバーを鼓舞するドラミングは比類なきもので絶賛される。このCD、記念アルバムだけに豪華で贅沢な布陣。演奏は3つのセッションに分かれる。ジミー自身のトリオ、20年以上に亘ってサイドメンを務めた世良譲トリオ、往時のリーダー北村英治とのデュオ、カルテット。それぞれ特長の異なる編成でジミー竹内の集大成として記念すべきリーダー作といえる。演奏曲は全11曲。世良譲トリオで"Gone With The Wind""Autumn Leaves""S'Wonderful"の3曲、ジミー竹内トリオで"Matsuri To Kodomo""In The Mood""Candy""Mack The Knife""Moonlight Serenade""I Got Rhythm"の6曲、北村英治とのデュオで"Caravan"ジミー竹内カルテットで"Stella By Sterlight"の2曲。
1996.2.21,22 日本クラウン CRCJ-9136

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2007年7月26日 (木)

音楽生活50年を超える偉大なドラマー猪俣猛

Img_1259 日本のジャズドラマーの巨匠といえる程の人気と実績を誇る猪俣猛。音楽生活は実に50年をはるかに超えて活躍している偉大なドラマー。その猪俣が1990年に音楽生活40年周年を記念して制作されたのがこのCD「IF I WERE A BELL/猪俣猛トリオ」メンバーは猪俣の他にベース加藤真一、ピアノ西直樹のトリオ。猪俣は一方で古き名コンボ”ウェストライナーズ”時代のピアニスト前田憲男を中心とするトリオは熟年の円熟トリオとすれば西を加えたトリオは壮年トリオで若さの魅力がある。全面的にフィーチュアーされる西直樹は猪俣が発掘した逸材。80年代のフレッシュなカルテット”ザ・フォース”の中軸を担って大活躍し絶大な人気を博したプレヤーでスイング感と唄心に無類の力を発揮する正統派。堅実無比のベース加藤を加えたトリオが展開する演奏は猪俣が指向するスイングを重視しかつジャズの楽しさを存分に反映したまれに見る快演。演奏は全9曲で殆んどはスタンダードで始めと最後がマイルス、コルトレーンの人気曲。ただ、"BLUE TRAIN"のテーマで唐突の3管が加わるが意図が図りかねる。トリオで統一すべきであった。曲は"FOUR""WHEN YOU WISH UPON A STAR""IN A SENTIMENTAL MOOD""IF I WERE A BELL""MY FUNNY VALENTINE""CUTE"など。
1990.4.4 東芝EMI TOCZ-9173

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2007年7月25日 (水)

ウォルター・ビショップJr.後期の快演

Img_1258 チャーリー・パーカーやマイルス・デービスなどジャズの巨人達と共演した実績の持ち主、ピアノのウォルター・ビショップ・ジュニア。同じ黒人でもB・ハリス、K・ドリュー、W・ケリーやT・フラナガンらの同世代のピアニストに比べて地味な存在だった。トリオの作品はかなり制作されているものの、自身の名作「スピーク・ロウ」が突出した評価をされているために他の作品がかすんでしまった事は否めない。今回は彼の後期にあたる1987年録音の「WALTER BISHOP JR./YESTERDAYS」。このCD、実はウォルター没後3年経った2001年にリリースされた音源。事情によりオクラ入りしていたものが関係者の手で陽の目を見た。メンバーはウォルターの他ベースにポール・ブラウン、ドラムスにウォルター・ボールデンという当時のレギュラートリオで東京録音というレアなもの。このトリオは後にインタープレイ・レーベルに2枚の自信作をリリースしている。ウォルターのピアノはバップに影響された生粋の本格派でジャズの神髄を極めるもの。中庸なスタイルを維持しつつリラックスした演奏に終始し各曲で他の曲のフレーズを随所に挿入して彼の本領を発揮したアルバムとして上位にランクされる。演奏は全7曲。ウォルターのオリジナル1曲にスタンダード5曲と最後はマイルスのテーマで終わる。
良く取上げる"JUST FRIENDS"や"GOOD MORNING HEARTACHE""LADY BARBARA""UP JUMPED SPRING""YESTERDAYS"などでウォルターの親しみ易いピアノに惚れ込む。特にタイトル曲で熱くスイングするソロが圧巻で白眉。
1987.7.8 東京 P.J.L MTCJ-2508

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2007年7月24日 (火)

テナー奏者高橋達也の本格派ジャズ

Img_1256 テナーの大ベテラン高橋達也のコンボ作品を紹介します。録音はちょっと古く1992年の「SECRET LOVE/Tatsuya Takahashi」。高橋はいわずと知れた名ビッグバンド東京ユニオンの元バンマスで数々の名作を残した事で知られている。この作品は解散後に積極的にコンボを編成して活動していた時期のもの。メンバーは高橋の他トランペット河東伸夫、ピアノ深井克則、ベース加瀬達、ドラムス海老沢一博のクインテット。メンバーの大半が東京ユニオンに在籍経験がある実力者で固め、まさに本邦を代表する大型コンボで本格派の醍醐味を聴かせる。高橋のテナーは男性的で豪放な音色はモダンジャズの王道を行くものでフレージングの豊かさと相まって絶妙のサウンドをつくり出す。河東のトランペットもフロントの一翼を担って素晴らしいソロを展開する。演奏パターンは全10曲を4パターンに収録。2管クインテットで4曲、深井のピアノトリオで2曲、高橋に深井トリオのカルテット3曲と高橋と加瀬のデュオ1曲と多彩な編成を組んで高橋の魅力を多面的に引き出している。殆んどがスタンダードでアップテンポやスローバラードなどで自在にプレイする高橋に脱帽する。支えるピアノの逸材深井もトリオで"Beautiful Love"新感覚のプレイを展開する。"Broadway"、"Deep Night"は2管のミディアムバウンスのハーモニーが美しい。加瀬とのデュオの"A Foggy Day"では加瀬の重厚なベースが聴きもの。他に"Secret Love""It's all Right With Me"などは圧巻。
1992.8.25,26 AEOLUS AJCD-S001

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2007年7月23日 (月)

メロディアスなドラマー松尾明の快作

Img_1254 オープニングナンバーのD・ガレスビーの"Be-Bop"からジャズフィーリングに溢れたグルービーな演奏に圧倒されてしまう。ベテランドラマーの松尾明が2003年に放った「AKIRA MATSUO/I didn't know about you」。メンバーはリーダー松尾の他ピアノ二村希一、ベース嶌田憲二の安定感抜群のトリオ。松尾はライブスポットなどではもっぱらトリオで出演する一方、古くから「TAKE TEN」という6管になる9人編成のビックコンボのリーダーとして活動している優れたドラマー。ジャズドラマーはスタンダードのバッキングでは歌詞を口ずさみながらドラミングしていると良く聞く。つまりヴォーカリストと一心同体の感覚でプレイする。松尾明はまさにその第一人者でヴォーカリストの信頼度は高い。演奏は派手さを排してジャズの伝統を重視し地に足を着けた見事な大人のジャズを聴かせる。大きくフィーチャーされるピアノの二村とは20年来の盟友。地味ながらモダンピアノのうまさは絶品で今や円熟の域に達している。演奏は全9曲。スタンダードとジャズメンのオリジナルなど松尾の長年の含蓄が込められた選曲が目をひく。"Be-Bop""Beautiful Friendship""Wee""I Didn't Know About you""Things Aint They What Used To Be""Old Cape Cod"など。最後の"Old Cape Cod"は松尾のバークリー土産の曲でミディアムテンポにのってリラックスした演奏は爽快感が漂う。
Jazzfreak Records JFJ-3002

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2007年7月22日 (日)

田村博のコール・ポーター作品集

Img_1252 バップピアノを忠実に継承している田村博。ジャズセンス抜群ながら知名度は必ずしも高いとはいえないが田村のピアノに魅せられた多くのファンがいる事も確か。古くから唄伴にかけては他の追随を許さないうまさには定評がある。77年に発表された初リーダー作から20年近く経過してからマイナーレーベルのキャブ・レコードから出た2作目は「Cole Porter Song Book/HIROSHI TAMURA」で田村の力量にしては遅すぎる録音だ。メンバーは田村の他ベース石橋敬一、ドラムス五十嵐武要のトリオ。スタンダードに名曲が多いコール・ポーター作品集で唄物に無類の力を発揮する田村にはうってつけのアルバム。田村のピアノは安心感がある。軽々しくなく音に重量感が漂う。奇をてらう事無くジャズの伝統を正面から捉えわかりやすく展開して行き、しっかりとジャズ魂を内包しているので感動を覚える。この秋自身のトリオ作がリリースされる予定なので田村の近況が聴ける作品として今から発売に期待が膨らむ。演奏は全7曲で田村のならではの練られた選曲が目につく。"Ev'rything I Love""What Is This Thing Called Love""You'd Be So Nice To Come Home To""I Love Paris""Anything Goes"などアップテンポやスローとリズムに変化をつけて多彩に料理していく田村の手腕が見事。特に"You'd Be So・・・"における意表をついたスローバラードの解釈は田村の真骨頂のように思える。
1995.9.1,2録音 CAB RECORDS CBCJ-0006

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2007年7月21日 (土)

ジャズヴァイブ藤井寛の初リーダー作

Img_1250 本邦ジャズヴァイブのトップスターに君臨している藤井寛。1995年10月に佐藤マサノリ氏主宰のマイナーレーベル「CAB RECORDS」の記念すべき第一作にリリースされたのが藤井寛の初リーダー作「Parker's Mood/KAN FUJII」。バイプレヤーとして活躍していて華々しい脚光を浴びるには至らなかったが、これで今迄蓄積していたジャズスピリットが見事に具現化した.藤井のアルバムは初リーダー作を始め高音質レーベルの「AKL」から二つのリーダー作など皆マイナーレーベルなのだ。モダンヴァイブの素晴らしさを発信するためにももっとメジャーで注目されるプレヤーではないかと思う。セッションは1993年から94年にかけて3回セットされた。フルートを加えたクインテット3曲にヴァイブに3リズムのカルテットが4曲の全7曲。比類なきバップピアニスト田村博、ジャズオルガンの第一人者酒井潮、ベテランベーシスト稲葉国光、ドラムスに御大五十嵐武要という名手の参加も聴き所。C・パーカーのタイトル曲を始めジャズメンオリジナルが殆んど。演奏はどれもモダンジャズの本流を行くストレートアヘッドなもの。これはスイングとグルーブ感が横溢した見事な作品。
CAB RECORDS CBCJ-0001

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2007年7月20日 (金)

バップを信望する金子亜里紗

Img_1249 本邦で数少ないバップピアニストの金子亜里紗。自身の最新作で3作目のリーダー作「The Scene is Clean/Arisa Kaneko」が2007年リリースされた。アルトを加えた従来路線のカルテットの演奏。これまで中堅アルトの小川高生が参加していたが今回は若手の逸材竹内郁人を加えて新境地を示したアルバムに仕上がった。金子の初リーダー作「REIFFTIDE」2作目「Our respects to BUD」と一貫してバップに軸足を置いているのが頼もしい。約一年振りの3作目はバップ時代の作編曲者のタッド・ダメロンの作品に焦点を当て6曲取上げているのが最大の特徴。金子は尊敬するピアニストとしてB・パウエル、B・ハリス、W・ケリー、S・クラークなどのバップやハードバップの大御所達を挙げており正に伝統を継承した本格派で男性顔負けの力強いタッチとバップフレーズが古き時代のジャズが新鮮に蘇させてくれる。パーカー派のアルトの竹内のアルトもアルト本来のクリアな音色でバップナンバーを見事に奏でバップコンボを彷彿とさせる。演奏は全11曲。T・ダメロン6曲に竹内の2曲に金子が3曲のオリジナルを提供。これは金子亜里紗カルテットの意欲作として注目に値する。
金子亜里紗(p)竹内郁人(as)池尻洋史(b)矢嶋正義(ds)2006.11.17,18 Cat Music Factory CGCR-1007

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2007年7月19日 (木)

ジョニーズディスクの隠れた名盤

Img_1247 今は盛岡に拠点を移した「ジョニー」は昔は南部の都市陸前高田にあった。”列島唯一日本のジャズ専門店”のユニークなキャッチコピーに魅せられて80年頃一度訪れた事があった。さほど広くない店内に手ずくりのような立派なオーディオ装置で日本のジャズに特化して目いっぱい鳴らしていたのを思い出した。そのジャズ喫茶ジョニーが自主制作していたレーベルが「ジョーニーズディスク」1978年の初リリースから自主制作ならではの作品が多くある。最近、ソリッドレーベルから1980年別名テリー・ハーマンこと坂元輝トリオの「海を見ていたジョニー」が復刻されジョニーズディスクが一躍注目される事となり、実に27年振りの再発になる。今回はジョニーズディスクの6作目1981年リリースの小栗均トリオの「みどりいろの渓流/小栗均トリオ」。ジャケ写真を撮ろうと帯を外そうとしたが帯が収縮してジャケットから外れなくなった。破ろうと考えたが帯も記念になると思いそのままにして写真を撮ったのでジャケットの全容を見ることが出来ないのはご容赦下さい。ピアニスト小栗は当時、新潟で活躍していたベテランのローカルジャズマン。隠れて陽の目を見ない実力者にスポットを当てるのがオーナー照井氏の真骨頂。このトリオのメンバーは小栗の他ベースに岩手出身で新潟で活動していた沖山竜二(先頃物故された)、ドラムスにいわずと知れた大物ドラマーの大隅寿男を起用。演奏は全6曲。小栗がブルース1曲提供の他スタンダード4曲、不明1曲。ガーランド張りにブルージーなフィーリングとグルーブ感たまらなく良い。""But Not For Me""Satain Doll""Doxy""Shinny Stocking""Geogia On My Mind"などスタンダード、S・ロリンズの古典的オリジナルを抜群のコンビネーションで展開する。この機会に過去のジョニーズディスクがさらにCD化されることを望んでいる。
Johnny's Disk JD-06

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2007年7月18日 (水)

ギタリスト小西徹唯一のリーダー作

Img_1244 ジャズギターの名手と謳われた故小西徹の唯一のリーダー作を紹介します。「TORU KONISHI A LIFE/3 LIVE CONCERT'S」。実はこのCD、小西没後の1999年にリリースされた。生前小西の絶頂期を含む3つのライブセッションの中から選りすぐりの名演を収めたもの。小西は1997年に他界されたので今では余程のジャズファンやギター好きの人以外は馴染みが無いと思う。北村英治、八木正生のグループのスイングの源泉の重要なキーマンとして活躍されたが何故か脚光を浴び無かったがサイドメンとしての評価はひとつも色褪せることは無かった。熱烈な小西ファンの手によって収録されたテープから小西晩年のサイドメンを務めたベースの伊藤潮が選曲とプロデュースし小西のギタープレイを余すところ無く伝える貴重な音源である。小西のギターはモダンジャズの本流を行くブルージーなフィーリングと無類のスイング感、良く唄うソロはモダンジャズの醍醐味を最大限に表現して余りあるもの。収録曲は全7曲。1979年録音からギタートリオ4曲、1980年からピアノ入りカルテットで1曲1997年のドラムレストリオから2曲。中でも小西の絶頂期のギタートリオによる4曲が素晴らしい。"GOLDENN EARRINGS""AUTUMUN LEAVES""SOFT WINDS"BLACK ORPHEUS"で名手小西の全貌が聴ける。最後のドラムレストリオによる"CONCIERTO DE ARANJUES"ピアノの村山浩とのコラボレーションも良く小西の入魂のプレイが余韻を残す。
JAZZ CAT-101

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2007年7月17日 (火)

純正バップピアニストの塚原小太郎

Img_1236_1 B・パウエルの流れを汲む本格的なピアニストの塚原小太郎を取上げます。塚原は中堅というよりもうベテランの部類に入る人。しかし経験、技量をもってしても知名度は必ずしも高くない。吹込みアルバムは数多くあるがいかんせんマイナーレーベルや自主制作が多く一般的な眼に触れる事がないのが影響している。しかし自主制作が多いという事は裏を返せばそれだけ塚原の演奏に魅せられた熱狂的ファンが存在している事を示している。今回は1988年GMLからリリースされた「Hallucination/Kotaro Tsukahara Piano Trio」。メンバーは塚原のほかベースに堅実無比の遠山晃司、ドラムスが気鋭の逸材奥平真吾という願ってもないトリオ。塚原のピアノはバップに根差したストレートアヘッドを指向するモダンジャズの本流をいくピアニスト。奇をてらわずハードバップを正面から向き合って豪快に淀みなくスイングするスタイルは緊張感と興奮を覚える。演奏は全9曲でスタンダードを除きお気に入りのB・パウエル、P・ニューボーン、O・ピーターソンを取上げている。欧州時代のパウエルが取上げた"I'M IN THE MOOD FOR CLASSIC"を奏っていて懐かしい。ベース、ドラムも随所にフィーチャーされて実力を示していて密度の濃い演奏が楽しめる。
GML-CD606

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2007年7月16日 (月)

唄伴の名手ノーマン・シモンズ

Img_1233 「唄伴の名手」という言葉を良く耳にする。ヴォーカリストに寄り添ってピアノのバッキングで唄い手の個性を最大限に引出す役割を持つ。今回紹介するシカゴ出身のピアニスト、ノーマン・シモンズもその一人。1990年CD復刻された「MIDNIGHT CREEPER/NORMAN SIMMONS」。メンバーはベースにリスル・アトキンソン、ドラムスにアル・ヘアウッドのトリオ。このトリオ70年代に個性派ヴォーカリストのベティ・カーターの唄伴で人気を博したメンツ。シモンズはその前の60年代にはカーメン・マクレーの唄伴で大いに気を吐き不動の人気を得た。また故峰純子の唄伴でも趣味の良いバッキングが光った。唄伴の名手で筆頭に上げられるのはトミー・フラナガンやロンネル・ブライト、ジミー・ジョーンズらが浮かぶ。シモンズもこれらの人に匹敵する名手として評価されている。唄伴の名手はインストでも素晴らしい業績を残す。シモンズはJ・グリフィンのリバーサイド盤「STUDIO JAZZ PARTY」でのバッキングは見事で記憶に残る作品。このトリオ演奏は全9曲。シモンズはタイトルチューンを含め2曲でオリジナルを他はパーカーの曲とスタンダード。曲は"Blackout""Midnight Creeper""Someday My Prince Will Come""I Fall In Love Too Easily""Emily""Confirmation""Easy Livin'"など魅力ある作品が並ぶ。シモンズのスタイルは決して派手ではなく個性的でもない。中庸でオーソドックスにスイングしてジャズの真の楽しさを演出する。シモンズを支える二人は数々のサイドメンに参加して名演の屋台骨を支えて来た名手。
1979.9.11録音 MILLJAC MJP-1001

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2007年7月15日 (日)

ジャズの王道を行く田村翼のピアノ

Img_1234 この所ジャズシーンをのぞいて見ると本邦でも女性ピアニストが雨後の竹の子のように出現している。いずれもアカデミックではあるが何故か共通するのはプレイにジャズ魂が希薄で心に伝わって来るものがない。ピアニスティックであれば優れていて個性的なジャズとはいい難い。今回はモダンジャズピアノの王道を邁進していた故田村翼の演奏を取上げたい。自身7作目の力作で1995年リリースの「SWEET&LOVELY/YOKU TAMURA TRIO」。田村のピアノはジャズの黒さと魂を併せ持ち、加えて洗練されたスタイルは比類ないものだった。そのフィーリングは和製ハンプトン・ホーズと言わしめる程のブルージーさを前面に出した演奏を身上としておりここでも健在振りを発揮している。演奏は全9曲でO・ピーターソン、B・ティモンズ、D・ガレスビー、S・クラーク、F・フォスター、G・ウィギンスのジャズナンバーを取上げブルージーに粘っこくジャズ魂を発散する。曲は"Hogtown Blues""Moanin""Don't Explain-Good morning Heartack""Manteca""My Conception""Shiny Stockings" Berkly Blues"など。メンバーは田村の他ベース伊藤潮、ドラムス佐々木豊のレギュラートリオで安定したコンビネーションはピカ一。これは田村のベストプレイを収めたものとして永遠に愛聴されるべきCDと思う。
ART UNION ARTCD-39

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2007年7月14日 (土)

秋吉敏子の隠れた名演

Img_1232 秋吉敏子は日本で世界に通用する実力者として疑う余地はない。輝かしい実績がそれを証明している。今日は秋吉の1960年代初頭の隠れた名演を紹介します。1961年2月朝日ソノラマ録音の「LONG YELLOW ROAD/TOSHIKO AKIYOSHI」。表のジャケットはポートレートのみでタイトルなど文字が一切ないのに驚く。このようなレイアウトは他に例を見ない程珍しい。このアルバムは秋吉が渡米後の初帰国時に録音したトリオ演奏を東宝レコードが復刻した初LPなのだ。長くレコード化されず幻化したいわくつきのもので元々オリジナルなジャケットなど無かった。    しかもこの演奏、秋吉の数多いアルバムの中でも屈指の名演に入るものだ。メンバーは秋吉の他にベースにジーン・チェリコ、ドラムスにエディ・マーシャルの気力充実の面々。演奏は全5曲。白眉は何といってもタイトル曲で秋吉の不滅の名曲"LONG YELLOW ROAD"に尽きる。色々なスタイルで演奏しているがトリオもまた格別の良さがある。哀感のある曲想がたまらなくいい。他はオリジナル"箱根のたそがれ"や"木更津甚句」といった日本の情念を取上げ、さらに"DEEP RIVER"といった秋吉のコンボのお気に入りナンバーを卓越したテクニックを駆使した渾身のプレイが素晴らしい。
TOHO RECORDS YX-4056

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2007年7月13日 (金)

70年代中期の前田憲男トリオのライブ盤

Img_1223 日本を代表するジャズマンの前田憲男はピアニスト、作編曲者として精力的に第一線で活躍している。今日紹介するアルバムは1976年2月銀座69での自己のトリオ演奏を収録したライブ盤。「HAPPY MAMA ON GREEN DOLPHIN STREET/NORIO MAEDA TRIO LIVE INN 69」。当時のマイナーレーベルのオフビート・レコードからリリースされたもの。オフビートは消滅してしまったがカタログには栗田八郎トリオや西条孝之介カルテット、八城一夫のドラムレストリオなど今となっては貴重な音源が多数ある。このアルバムのメンバー、ベースの荒川康男、ドラムスの猪俣猛は今でもWee Threeのネーミングで活躍しておりウェストライナーズ以来の実に息の長いメンバーでまれに見る結束力を保持する。ここでの前田の若かりし」頃のオーソドックスなスタイルでプレイに専念して主流派の実力をフルに発揮した作品として記憶されるべきものと思う。演奏は全6曲で前田のオリジナル3曲にS・ロリンズの"Oleo"他はスタンダード2曲とバランスの取れた選曲。出だしのスタンダード"On Green Dolphn Street"は三者一体となって豪快にスイング、途中荒川のソロがフイーチュアーされる。オリジナル"Lost World"は前田のバラードプレイ。"Oleo"は猪俣のドラムソロからテーマに入る。アップテンポに乗って前田が縦横無尽に踊る。トリオの豪快な演奏が圧巻。スタンダードの"Stella By Starlight"は4ビートにのって心地よくスイングするグルービーな演奏。
Offbeat Records ORLP-1011

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2007年7月12日 (木)

菅野光亮追悼コンサート盤

Img_1224_1 作編曲に抜群の才を見せたピアニストの菅野光亮。ジャズ以外の分野でも芸術性に高い評価を受けた卓越した才能の持ち主。今日紹介するアルバムは没後の翌年1984年6月菅野にゆかりのある有志のジャズメンによる国分寺アレキサンダーでの追悼コンサートの模様を収録した自主制作盤「翳/菅野光亮追悼コンサート LIVE AT ALEXANDER」。タイトルの翳(かげ)は菅野のオリジナル曲で永遠の名曲。MCは故いソノてルヲ氏が務めインティメイトな雰囲気の中に菅野を偲ぶ心温まるセッションが伝わって来る手作りのアルバム。参加したジャズメンが凄い。2日間の二つのセッションに総勢11名が参加。小川俊彦、故大野三平、青島信幸、遠山晃司、故小津昌彦、小原哲次郎、故菊池秀行、仲牟礼貞則、光井靖、鈴木博、上野尊子のそうそうたる面々。A面は小川俊彦を中心にしたカルテットでスタンダード中心。B面は大野三平を中心にしたクインテットで菅野のオリジナル4曲を取上げたトリビュートで両方のセッションに上野、鈴木のヴォーカルがフィーチュアーされる。最後に演奏される"翳"は何度聴いても美しさに心が打たれる。

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2007年7月11日 (水)

レスター派尾田悟の70年代の名演

Img_1221 古い和ジャズのLPが何枚か残った。セレクト時思い入れのあるものが手放せなかったのだ。その中の一枚、レスター派の大御所テナー奏者の尾田悟が70年代初期に満を持して放った力作「SATORU ODA LIVE AT THE NEW 5 SPOT」。70年代は和ジャズが大ブレークした時代。日本の大小のレーベルがこぞって歴史に残る作品を数多く残した。このアルバムもそうした一枚。1976年3月、自由が丘ニュー5スポットでのライブ盤で故いソノてルヲ氏がMCを務め臨場感がヴィヴィッドに伝わってくる。尾田は経験豊かな大ベテランで本邦ジャズ界の重鎮的存在。このアルバムは正に尾田の魅力が横溢したジャジー極まる作品。メンバーもピアノに気鋭の新人根本慶子を抜擢した他トップクラスのジャズメンで固めている。ベース原田政長、ヴァイブ増田一郎、ギター潮先郁男、ドラムス五十嵐武要のセクステットによるハウスバンド。リラックスした中にジャズのエッセンスが存分に盛込まれた寛ぎのスイング感が支配した逸品。全8曲で"Blue Lester"をはじめレスターに因んだ4曲に尾田がレスターに捧げたオリジナル"I Remember Prez"や店の名に因んでB・ゴルソンの名曲"Five Spot After Dark"など全編に亘ってギターを加えた分厚い4リズムの心地よさに乗って尾田サウンドの真骨頂が聴ける。なお途中一曲のみリズムセクションにピアノを除いて若手が交代する。
東宝レコード YX-6103

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2007年7月10日 (火)

絶頂期菅野トリオの九州ライブ

Img_1214 忘れる事が出来ないピアニストに「音の魔術師」菅野邦彦がいる。このところ活躍の知らせが届かないがかつて70年代の怒涛の活躍はジャズ界を席巻する力を秘めていた。当時オーディオラボの専属で菅野の魅力の全貌を紹介した種々のアルバムがりりースされ狂気させた。中でも菅野の美的世界を余すところ無く伝えた「MUSIC」は傾聴に値する作品。今回は1975年1月菅野トリオが九州ツアーに赴いた折に収録した「CONCERT TOUR IN KYUSHU/THE WORLD OF KUNIHIKO SUGANO」鹿児島、大分、奄美、小倉の4箇所でのライブ全6曲を収めたもの。メンバーは菅野の他ベース川畑利文、ドラムス高田光比古のレギュラーメンバーによる渾身のライブ。イマジネイティブなアドリブソロとブルージーなフィーリングが一体となって豪快にスイングするスタイルは日本人を超えたジャズセンスが天下一品。菅野はこの前にも九州ライブを敢行しており、この時のアルバムはトリオレコードから出ていて絶頂期の見事な演奏は絶賛される。6曲は菅野のオリジナルブルースにスタンダードを織り交ぜて菅野の面目躍如のプレイが展開されていて聴き応えは十分。
AUDIOLAB RECORD ALJ-1031

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2007年7月 9日 (月)

手元に残ったピアノジャズ

Img_1212 長くピアノジャズに慣れ親しんで来たのでLP,CDを手放す時、内外のジャズメンのピアノ物を幾つか残した。そのうちの一枚は世良譲トリオ。世良はピアノの実力もさることながら最高のエンターティナーとして君臨した。70~80年代にトリオレコードやユピテルなどから味わい深いアルバムを多数残した。何故かCDではジャズに心底打ち込んだ有力盤が見当たらない。そんな中かつてのロブスター企画が1985~86年に録音したCDで世良のトリオによる「Swingin’The Piano Trio/I LOVE YOU」が世良の魅力の全貌が出た作品として推薦できる。タイトル通り世良の個性が存分に発揮された極上の演奏が楽しめる。メンバーはベースに中島教秀、ドラムスにジミー・竹内の当時のレギュラーメンバー。演奏は全12曲で殆んどが知られたもので世良の得意としているナンバーが占める。"I LOVE YOU""STARDUST""CHARADE""THE DAYS OF WINE AND ROSES""STELLA BY STARLIGHT""DAY BY DAY"など世良流の解釈でストレートに演奏するスタイルは正に真骨頂。難解なジャズが優れているわけではない。リラックスと寛ぎの世界もまたジャズの魅力がある。

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2007年7月 8日 (日)

ピアノが無くなった

Img_1210 先月20年以上拙宅に鎮座していたヤマハグランドC3が無くなった。うさぎ小屋程度の戸建新築時にそれまでのアップライトから買い替えたもので音色も飛び切り良く愛着のあるピアノだった。実はある事情により転居するハメになった。転居を予定しているマンションの広さは現在の半分以下で趣味どころでは無く生活空間を確保するのがせい一杯なのだ。ピアノだけではない人生の半分以上かけて蒐集した大切な宝物のジャズのLP,CD2000枚以上を処分する事になった。さらに愛器のオーディオ装置一式まで処分した。しばらく手につかなかったが最近時間の経過と共に諦めが出てきて心も落ち着いてきた。今も貧乏人根性で溜め込んだがらくた整理と廃棄物処理に追われている。今日は僅かに残った生き残りCDから無きピアノに捧げてスペインFreshSoundから2000年にリリースされたピアノトリオ「the frank strazzeri trio/funk&esoteric」1991年録音で古いものだがオクラ入りにはもったいないストラッゼリの魅力が詰まったCD。ストラッゼリはサイドマンとして白人、黒人どちらも素晴らしいバッキングをするバーサタイルな力量の持ち主。A・ペッパーのレギュラーピアニストを務めた事でも実力は証明済み。奇をてらわず真向勝負のハードバップピアノが信条でモダンジャズの醍醐味を余す事無く発揮する。演奏は全10曲。ジャズメンとスタンダードが占める。ラテンパーカッション奏者のチャノ・ポゾの"TIN TIN DEO"から始まる。ペッパーやフラナガンの得意曲。ベースのあなじみのリズムパターンからストラッゼリのハードドライビングなピアノが光る。JJジョンソンの名曲"KELO"ストラッゼリのバップピアノが展開されマラブルとの一体感は抜群。他の曲もストラッゼリの個性とトリオのコンビネーションがからんで卓越したピアノトリオが聴ける。
Frank Strazzeri(p)John Heard(b)Lawrence Marable(ds)1991.5.23  FSR 5031

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