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2007年6月

2007年6月17日 (日)

マッシモ・ファラオのスクリーン・ミュージック集

Img_1159_1 イタリアの人気ピアニストのマッシモ・ファラオ、 今や破竹の勢いで活躍している売れっ子。人気にあやかって本邦企画のCDもリリースして気を吐いている。今回紹介するCDは純正モダンジャズとはいい難くイージーリスニングの範疇に入るジャズの「Jazz LOUNGE Cinematic2」。マッシモ・ファラオのピアノ・トリオ(ドラムスはボビー・ダーハム)で有名な映画音楽を集めた演奏集。いかにも売れ筋狙いの商業主義的企画の軟弱作品と捉えられがちだが聴き方次第だ。たまには気楽に肩の凝らないジャズも難しく考えなくていいと思い納得して聴いている。しかし本音をいうならファラオにはこうした企画ではなくシリアスな真向勝負のモダンジャズを聴かせて欲しいと思う。こうしたポピュラー音楽の類をピアノで演奏する時に真似をするには格好のものになる。ファラオのピアノはジャズの本流を往くモダンピアノでジャズフィーリングが横溢した魅力あるタッチを聴かせる。演奏曲は全12曲で"East of Eden""Love Story""The way we were""Over the Rainbow""Sunrise Sunset""High Noon""Theme From The Godfather"などテーマを殆んどストレートに弾いておりイージーリスニングジャズとして十分楽しめる。1曲が2~5分と総じて短いのが難点だがタイトルの”ジャズ休憩室”通りBGMでグラス片手に聴けば結構お酒が進んでしまうかも知れない。
MASSIM FARAO(p)LORENZO CONTE(b)BOBBY DURHAM(ds)

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2007年6月16日 (土)

Vartan Jazzのボサ・ノヴァ・トリオ

Img_1157 60年代のボサ・ノヴァが全盛期に本場ブラジルのグループが多く出現して一世を風靡した。セルジオ・メンデス、ジンボ・トリオ、タンバ・トリオなどのピアノを中心としたものやワルター・ワンダレイのボサノヴァ・オルガンを聴かせ人気を博した。今回は90年代後期のコロラドのデンバーにあるVartan Jazzは新旧ジャズメンの純正なストレートアヘッドジャズをリリースしていた中の珍しいボサトリオによる一枚「Aloisio Aguiar Trio/To Jobin With Love」。タイトル通りのA・C・ジョビンに捧げたもの。ライナーに記載はないが名前からしてブラジルのミュージシャンのようだ。選曲はACJの曲を中心に取上げていて、今は本場のボサノヴァ・トリオを聴く機会が少なくなった。全14曲でACJの名曲"Girl From Ipanema"をはじめ8曲取り上げ、A・Aguiarのモダンタッチのピアノは明快でジャジーなフィーリングが素晴らしく抜群なノリがボサ・ノヴァのムードを盛り上げる極上の演奏。
Aloisio Aguiar(p)Sersio Brandao(b)Claudio Slon(ds)1996.3.3,4 Vartan Jazz vj014

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2007年6月15日 (金)

ジェームス・クレイとビル・パーキンスの共演

Img_1156 テキサス出身ながら泥臭さが無いテナーのジェームス・クレイと西海岸の孤高のテナービル・パーキンスの2テナーを収めたCDを紹介します。「Bill Perkins-James Clay Quintet/the Right Chemistry」。2テナーに3リズムのクインテット。ジェームスは太い音色ながらあくの強さが無くジャズの主流を往くスタイル。ビルはクールでスムースな音色の持ち主。二人はジャズシーンを席巻する程個性的ではないがジャズの魅力を湛えた名手。ジェームスには57年ドラムのローレンス・マラブル名義のJazz West盤「テナーマン」が特に名演の呼び声が高い作品。以後もリバーサイドに数枚出したが人気につながらなかった。ビルもやはり50年代に名演を残したが地味な存在に甘んじた。このCDは87年録音のもの。テナーバトルとは違い二人が繰り広げるテナーサウンドを4ビートで聴く性格のもの。F・ストラッゼリのフラナガンばりの趣味の良いバッキングが価値を高めている。演奏は全8曲。オリジナルは無く全てスタンダードとジャズメンの曲。ジャズメンはパーカー、ガレスピー、ドーハム、ダメロンを取上げている。パーカーの"SIPPIN' AT BELL'S"のブルースから二人の快適なソロが展開される。"I WAITED FOR YOU""SOULTRANE"はワンホーンでクレイの見事なバラードプレイはベテランの味で聴き惚れる。ドーハムの人気曲"LOTUS BLOSSOM"はテナーのユニゾンからビルのソロが活躍4ビートのグルーブ感が横溢した見事な演奏。"Moon&Sand"ジェームスのロマンティックなフルートソロは美しい音色で出色の出来。
Bill Perkins(ts)James Clay(ts,fl)Frank Strazzeri(p)Joel DiBartolo(b)Billy Mintz(ds)1987.8.10 JAZZ MARK108

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2007年6月14日 (木)

孤高のピアニスト、フランク・ストラッゼリ

Img_1153_1 大 ベテランのピアニスト、フランク・ストラッゼリは過小評価されたジャズメンの最たる一人ではないか。西海岸を拠点にしていた事や大物ジャズマンのサイドメンの参加が少なかった事が一因ではないか。スタイルはモダンジャズの王道を往くものでリラクゼーションに満ち明快な唄心と趣味の良さは天下一品。今回は1992年米Night Lifeからリリースされた「FRANK STRAZZERI TRIO&QUARTET」。2つのトリオセッションとフルートを加えたカルテットを収録。地味のイメージのあるフランクは80,90年代にDISCOVERYやスペインFRESH SOUNDから魅力あるトリオ盤の新録をリリースして来たがあまり注目されなかった。このCDはフランクの中庸を行く個性を反映したもので全貌を捉えた逸品といえるもの。フランクをサポートするベース、ドラムスも助演に徹し、素晴らしいバッキングはベストプレイを助長している。フルートのサム・モストは近頃殆んど耳にしなくなったが70年代にXANADUに吹込みがありフルートジャズの真髄を聴かせる。演奏は全11曲フランクのオリジナル2曲とスタンダード4曲にジャズメン4曲。特にB・パウエルを2曲選曲している所にパウエルの思い入れが出ている。フランクの"This is the Moment"フランクの唄心が存分にでたスインギーな演奏。やはりオリジナル"Why the Dreams"タイトルどおりドリーミーに寛いだ演奏。パウエルの"Bouncin With Bud"フランクのバップピアノは見事で豪快にスイングしフランクの本領が出た演奏。"The Very Thought Of You"サムのフルートが加わる。スローテンポでフルートがテーマを美しく奏でた後見事なフルートソロが展開される。フランクの"Franks Blues"フランクのピアノとフルートが見事なブルースを演ずる。"Flying Down to Roi"トリオのメンバー変わり、演奏がよりハードドライビングになる。"Round Midnight"サムの実力発揮のフルートソロが圧巻。スタンダード"I Concentrate On You"フランクの自由自在のピアノが踊りグルーブ感十分。M・ルグランの"Summer Of '42"バラードをストレートな解釈でロマンティックに演じられフランクの感受性の豊かさが出た演奏。
Frank Strazzeri(p)Frank DeLarosa(b)Will Bradley(ds)2曲Harvey Newmark(b)Michael Stephans(ds)このトリオに4曲Sam Most(fl)加わる

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2007年6月13日 (水)

ドルフィ、リトルに捧げたリチャード・デービス

Img_1152 ベースプレヤーですぐ思い浮かぶのはポール・チェンバース、レイ・ブラウン、チャールス・ミンガスやロンカーターなど大スターになる。これらのベーシストに比べればいささか地味な存在に映るリチャード・デーヴィス。紹介するCDは英HEP1990年の「RICHARD DAVIS AND FRIENDS/ONE FOR FREDERICK」。プロデュースはリチャード自身でフロントはトランペットとテナーの2管3リズムのレギュラーメンバーによるコンボ。このCDは1961年の伝説的なライブ、エリック・ドルフィ&ブッカー・リトルのファイブスポットの録音にリチャードが重要なキーマンとして参加」した思い出として彼らに捧げた演奏だ。革新性と緊張感を伴った硬派の充実作。メンバーはリチャードの他にトランペットにセシル・ブリッジウォーター、テナーにリッキー・フォード、ピアノにサー・ローランド・ハナ、ドラムスが故フレデリック・ウェイツの実力者集団。リズムセクションはレコーディングもしていてコンビは抜群。セシルの中音域を駆使したのびのある音色のソロは溌剌としていて好演。リッキーのアグレッシブなスタイルは健在。ハナもバップスタイルのピアノで存在感は十分。随所にリチャードの素晴らしいベースソロが挿入されリーダーの実力を示す。演奏は全8曲。オリジナルはリチャード2曲とセシル1曲にジャズメン4曲とスタンダード1曲。ゴルソンの"City Bound"ドラムソロからユニゾンのテーマのあとリッキーのモーダルなそろが炸裂する。ドーハム"Blue Bossa"なじみのテーマからセシルをフィチャーし快適にスイングする。デービス"De Javu Monk"リチャードのベースソロからリッキーにつなぐ、モンク臭の濃い演奏。スタンダード"Every Time We Say Goodbye"バラードをベースとピアノのデュオはセンシティブに溢れた見事な演奏に感動する。"Sunrize"ウェイツのドラムソロからリッキーのエキサイティングなソロに続き再度ドラムソロが入る。
1989.7.6,7 NY Sweet Basil HEP CD2047

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2007年6月12日 (火)

レイ・ブライアントがプロデュースした97年のトリオ作

Img_1151 ピアニストレイ・ブライアントは本邦で最も人気のあるジャズマンの一人。おなじみの「100 GOLD FINGERS」に今回不参加なのは惜しまれる。レイはジャズの伝統に根差したワイドレンジな音楽性と心の琴線に触れるフレージングがファンの心を捉える。今回は1990年代後期のトリオ作LABELMの「RAY BRYANT TRIO/NORTH OF THE BORDER」1997年(2001年リリース)カナダ・トロントでのライブ。レイは50年代から優れたアルバムを制作してジャズ史に残る名ピアニストとして君臨しておりソロ、トリオやその他コンボの諸作に名演がありとりわけトリオ盤に人気がある。レイの代表作の紹介を見ると皆4,50年前の古いもばかりでこれらは現代のレイの実態を反映したものではない。バッド・パウエルの晩年の演奏が人生の枯れた味わいで感動を与えたようにレイにもそうした一面が投影されている。80年代に日本企画ものが乱作されて食傷気味だったがこのCDはレイ自身がプロデュースして気合の入れ方が違う。選曲こそ再演になるが単純なリメイクにならない所がレイの名手たる所以である。演奏は全9曲で全て過去に取上げれて名演が残っているものばかり。"Slow Freight"ゴスペル調でレイの特長が出た演奏。57年のトリオの名作"Django"は名演。エバンスの名演が残る"Nardis"無伴奏でワンコーラス後インテンポのテーマからセンシティブ溢れた演奏。"When Sunny Gets Blue"バラードで豊潤感漂う見事な演奏。オリジナルの有名曲"Little Susie"グルーブ感が横溢した自家薬籠中の演奏で見事。その他"Moanin'""Lil Darlin"などリラックスしたレイの本領が出た演奏。
Ray Bryant(p)Harry Anderson(b) Winard Harper(ds)1997.1.20 LABEL M495741

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2007年6月11日 (月)

アンソニー・オルテガのワンホーンジャズ

Img_1146 寡作家マルチ奏者のアンソニー・オルテガがアルト一本に絞って演奏した「California Collective featuring ANTHONY ORTEGA」個性派オルテガのワンホーンジャズ。60年代のHerald盤(Fresh Sound再発盤)「A Man And His Horns」が注目された以降1966年にREVELATIONからアルト・トリオの「NEW DANCE」を出したがジャズシーンから消えたかに見えた。1999年に突如として新録がリリースされ健在ぶりに驚いた。この間西海岸を拠点にジェラルド・ウィルソンのバンドに約20年在籍スタジオワークが主だったらしい。オルテガはパーカー派に属していると思いますが個性的なフレージングに特長があり時としてフリーキーな音を発する。本質は正統派を趣向し良くスイングするスタイル。ありきたりなフレーズを排しユニークな独自のアドリブを展開する。ピアノのケント・グレンは物故してしまったがパウエル派のモダンピアノを弾く名手。全8曲オリジナル5曲にC・パーカーの"Relaxing Camarillo"B・ストレーホーンの"Chelsea Bridge"スタンダードの"Embraceble You"などオルテガの個性豊かでスインギーなアルトが全般に亘り聴く事が出来る。ジャケットデザインはオルテガが額縁に入ったような構図で公園のベンチに座り、うらぶれた格好でアルトを吹いている姿が堂に入っている。
Anthony Ortega(as)Kent Glenn(p)Mark Proctor(b)Harold Mason(ds)1997.8 TENSOR MUSIC EJCD 903

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2007年6月10日 (日)

カーティス・フラー3管ハードバップの快演

Img_1144 トロンボーンのカーティス・フラーとテナーのポール・ジェフリーのベテラン二人を中心にした3管編成のハードバップ。1997年米AMOSAYAレーベルの「CURTIS FULLER PAUL JEFFREY SEXTET/TOGETHER IN MONACO」。トランペットを含むセクステットとなっているが全てのトラックが3管ではなく1曲はリズムセクションのみ変わっている。P・ジェフリーは最近は殆んど耳にしなくなったが70年代にT・モンク・カルテットで来日経験もありレコーディングもしている。知名度は今ひとつで地味なプレヤーは否めない。メンバーはこの二人の他は馴染みがないがジュフリーのコンボで演奏活動しているローカルジャズメンで趣味の良い渋い演奏を聴かせる。フラーはここではフラーの音色を軽々と吹いて風格が出ておりメンバーの格の違いを見せている。演奏は二つのセッションが収録され"ROUND MIDNIGHT"のみリズムセクションが変わる。全6曲で2曲でメンバーのオリジナルの他"YESTRDAYS""CARAVAN"F・ハバードの"UP JUMP SPRING"の有名曲を直球勝負の演奏は爽快で十分楽しめる演奏集。ジェフリーのオリジナル"CURTIS"フラーに捧げたものようでT・モンクの曲想でソロイストの熱演が聴かれる。"YESTERDAYS"フラーのテーマからソロに入り往年のフラーを感じさせる。得意の"CARAVAN"フラーの面目躍如のプレイが光る。"ROUND MIDNIGHT"ジェフリーを大きくフィーチュアーして引き締まったいい音色でジェフリーの実力を示す演奏。"UP JUMP SPRING"は3管でハードバップの快演。
CURTISFULLER(tb)PAUL JEFFREY(ts)CHARLES VAUDANO(tp)JEB PATTON(p)MARC ABRAMS(b)WASHINGTON DUKE(ds) Round MidnightのみMARCELLO TONOLO(p)CALVIN JONES(b)MICHAEL SCOTT(ds)1996.5 AMOSAYA AM-2531

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2007年6月 9日 (土)

シダー・ウォルトンの名トリオのライブ

Img_1145 ケニー・バロンと並んで今最も円熟と風格を持ったピアニストはシダー・ウォルトンが最右翼だ。コンスタントにリーダー作をリリースし安定した実力は比類がない。今回はウォルトンのあまり取上げられないトリオ作1989年オークランドの”Yoshi's”でのライブ「Cedar Walton Trio/IRONCLAD」。これは当地のFM放送のライブを収録したもので6年後の1995年にリリースされたもの。メンバーは長く行動を共にしているベース、デビッド・ウィリアムス、ドラムスがビリー・ヒギンスの黄金トリオ。ウォルトントリオには駄盤がなく充実した作品が多い。70年代の日本EW盤「PIT INN」80年代の伊RED盤「THE TRIO」と日本のハイブライト「THE VIP TRIO」90年代のCRISS CROSS盤、日本のLOB盤などは名演といっていいアルバム。ライブ会場のYoshi'sは最近ではMAX JAZZからムルグリュー・ミラーのトリオ盤や80年代にテナーのジョージ・コールマン・カルテットの名演が残っている伝統のクラブ。ウォルトンのピアノはジャズの伝統を踏襲した保守的なスタイルを堅持し常にスイングを忘れない。奇をてらわず真っ向から堂々を弾きこなす所がいい。全7曲スタンダード3曲にウォルトンのオリジナル5曲で意欲を示しておりリラックスの中にも緊張感が漂いウォルトンの実力が存分に出た演奏。オリジナル"Bremond's Blues"はスイング感一杯ののりのりの演奏。"Fiesta Espanol"ではウォルトンが本領を発揮する。"Somewhere Over the Rainbow"ミディアムテンポでスタンダードを極上に料理し聴き応え十分。タイトルの"Ironclad"14分の長尺演奏でウォルトンのクリエイティブな一面が出た演奏でベストプレイ。
1989.4.6録音 Monarch Records MR-1005

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2007年6月 8日 (金)

レスター派ジョン・ドーテンの初リーダー作

Img_1143 テナーサックスの一方の雄,レスター派の地味なプレヤー、ジョン・ドーテンの初リーダー作は出色のワンホーンジャズ「John Doughten/a time for love」が仏Sunnysideから1996年にリリースされた。ドーテンは本来はテナーを中心に吹いているがここではバリトン、クラリネットを持ち替えてマルチ振りを発揮している。リズムセクションはベテランの名手エディ・ヒギンストリオがバッキングしているのも魅力のひとつ。実はこのカルテット2年前にズート・シムスの追悼盤を録音したE・ヒギンス名義の「ZOOT'S HYMNS」と同じメンバー。ドーテンのズートを彷彿とさせるスムーズで流れるようなフレージングが心地よく響く至福のサウンド。サポートするヒギンストリオのバッキングが実に見事でレギュラーメンバーの如くの一体感は絶妙。演奏は全12曲全て聴きなれたスタンダードでバラードと4ビートが程よくミックスしていて楽しめる。"YOU'D BE SO NICE TO COME HOME TO"はモダンスイングでヒギンスのイントロからドテンのテーマに入る所は見事。"STAR FELL ON ALABAMA"はミディアムテンポで美しいメロディでソロも豊潤感が漂う。"ONCE I LOVED"ボサリズムで昔のS・ゲッツを想起させる演奏。"ON THE ALAMO""A TIME FOR LOVE"はクラリネットでスインギーな演奏。"LET'S HALL IN LOVE"はバリトンに持ち替えこれが素晴らしくいい、ヒギンスのピアノも光る。"POLKA DOTS MOON BEAMS"はバラードで美しさの感動する。
John Doughten(ts,bs,cl)Eddie Higgins(p)Phil Flanigan(b)Danny Burger(ds)1996.3.27,28 Sunnyside SSC10730

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2007年6月 7日 (木)

バディ・チルダース久々のリーダー作

Img_1139 かつて60年代に短期間の活動で意欲作を多数残したキャンディド。90年代に入って再生した新生キャンディドは過去の先鋭的な性格から主流派のハードバップを主体としたものに変わった。ドン・ベネット、マーク・モルガネリ、リー・コニッツ、ドナルド・ハリソン、リッキー・ウッダードなどの新旧の力のあるジャズメンやキャンディド・ジャズマスターズなどのグループによる魅力あるアルバムが多くある。今回はトランペットのベテラン、バディ・チルダースの「BUDDY CHILDERS/WEST COAST QUINTET」。フロントにバルブトロンボーンを加えた2管3リズムのクインテット。チルダースは50年代中期にリバティに残した2枚のコンボ演奏が真価を発揮した名作として知られている。10代から名門スタン・ケントン楽団に在籍して活躍しH・ジェームスやR・エルドリッジに影響を受けた人。このCDは久し振りのリーダー作になる。メンバーはタイトル通り新旧のウェストコースターで占められている。演奏もジャズスピリットに溢れ往年のウェストコーストジャズの本領を発揮した演奏が展開されている。全9曲でチルダースのオリジナル2曲にジャズメンオリジナル4曲の他スタンダード3曲で親しみ易い知られた選曲。"BUFFY"は過去のカルテットの再演でバップ色の濃い演奏。"WHAT'S NEW"はバラードでチルダースのベテランの味が出てしみじみ聴かせる。"ALL THE THINGS YOU ARE"スイング感が溢れたグルービーな演奏。"LAMENT"JJの名曲をトロンボーンのワンホーンによる美しいバラードで情感がこもり印象に残る演奏。"COTTONTAIL"は各ソロイストの熱演は最後を飾るに相応しい演奏。
Buddy Childers(tp,flh)Jimmy Zito(vtb)Brian O'Rourke(p)John Leitham(b)Paul Kreibich(ds)1994.6.8,13,22 Candid CCD79722

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2007年6月 6日 (水)

B・リンチ御大ブレーキーの追悼盤

Img_1138 90年代NYにKen Fujiwara氏が主宰していた”Ken Music”は主流派に制作ポリシーを置いて数々の名作を生み出して来たレーベル。その中から傑作の誉れ高いトランペットのブライアン・リンチの「BRIAN LINCH/IN PROSESS」を紹介します。アルト、テナーが加わっているが基本はアルトの2管編成が半分占める。Ken Musicで印象に残るCDはジム・スナイデロ、フィル・マコーウィッツ、ファビオ・モルジェラなど力はあっても比較的地味なプレヤー達の傑作になる。ブライアンは80年中期からクリスクロスに今回の吹込みメンバーらとセッションを持ちリーダー作も5枚程度出して注目されて来た。その後もシャープナインからワンホーンを中心に4枚のリーダー作をリリースして気を吐いて今やベテランの部類に入る。今回のCDは1990年10月にアート・ブレーキーとジャズメッセンジャーズに在籍時、御大の死後の翌日から2日間かけてブレーキーのメンバーらと録音した追悼盤といえるもの。2管を主体にワンホーン、3管、デュオなど多彩な演奏が聴きもの。90年代初頭のブライアンはイマジネーションも豊かでブリリアントな音色と情熱的なソロは聴くものの感動を与える。サイドメンもメッセンャーズや信奉者で固めており演奏密度は濃い。特にスナイデロのアルトは出色の出来。演奏は全9曲でワンホーンの"FRAMINGO"は美しい音で唄心を発揮したブライアンの特長と実力を示した演奏。
Brian Lynch(tp)Javon Jackson(ts)Jim Snidero(as)Benny Green(p)Dennis Irwin(b)Anthony Reedus(ds)1990.10.17,18&1991.2.21 KEN MUSIC KEN-011

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2007年6月 5日 (火)

欧州のO・ピーターソンの快作

Img_1136モダンジャズの時代になって ピアノトリオは過去に無数のグループが歴史の中に去来し今も各地に雨後の竹の子のようにデビューしている。しかしどれほどのピアニストやグループがジャズシーンに長く君臨するのか誰にも分からない。今回紹介するピアニストのパトリック・トンペルトはヨーロッパ随一といえるスインガーであり長く第一線に君臨して欲しいピアニスト。往年のO・ピーターソンを彷彿とさせる圧倒的な迫力でせまるピアノトリオ。独Satin Dollの「patrick tompert trio/Live」はそんな演奏。トンペルトはピーターソを現代に再現するかのように豪快にスイングする。実はこのCDはトンペルトを目的に買ったのではない。ジャケット写真のジャジーさやスタンダードが多く選曲されていたので入手したものでこれが見事に的中した。ピアノを中心に三者の絶妙なコンビネーションでジャズが持つ魅力が最大限に発揮された演奏になっている。演奏は全11曲。自身のオリジナル2曲の他ジャズメンオリジナルとスタンダード。うちO・ピーターソンを3曲取上げている。"If Were A Bell"からスインギーにノリの良さを示す。オリジナル2曲を挟んで"Manha De Carnaval"ボサリズムでなじみのテーマを美しく奏で自在なアドリブに入る。"Autumn Leaves"テーマの後すぐドラムソロが入る所がユニーク。トンペルトの唄心旺盛なソロが抜群。エバンスの名演があるV・ヤングのマイナーチューン"Beautiful Loveは"ブラッシュワークにのってトンペルトが魅力的なフレーズを連発しベストプレイを展開する。最後3曲はO・ピーターソンの"On Danish Shore""Hymn To Freedom""Hallelujah Time"はトンペルトの面目躍如のペレイに圧倒される。"Hymn To Freedom"は何回聴いてもいい曲。
Patrick Tompert(p)Davide Petrocca(b)Werner Braun(ds)1998.10.24 Satin Doll  SPD1029-1

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2007年6月 4日 (月)

D・ゴイコビッチ参加のヨーロッパジャズメンの熱演

Img_1133 今年76歳になるトランペッターのダスコ・ゴイコビッチ。現時点でダスコの最新の演奏が聴けるCDがリリースされた。「Straight Six live at Birdland Neuburg/GER」。このCDの最大の注目点はダスコ・ゴイコビッチとベースのマッズ・ヴィンディングが参加している事にある。これだけでも食指が動いていまう。古典的な3管編成だがタイトル通りのストレート・アヘッドのバリバリのハードバップ。ダスコのリーダー作やサイドメンに参加したアルバムには駄作は殆んど見当たらない。どれもジャズの醍醐味を聴かせ魅力が溢れた印象的なものが多い。このCDのリーダーは表記はないがテナーのヘインツ・ヴォン・ハーマンのようだ。編曲も全てハーマンが行っている。ハーマンのテナーは初めて聴くがロリンズのように豪快で太い音色が見事、ピアノのJ・レイターのバップスタイルのタッチが魅力。ダスコはいつものように中音域を駆使したサウンドが心地よく鳴り貫禄を示している。他にトロンボーン、ベース、ドラムスの随所に亘る好演が華を添える。ジャケット写真は6人のベテラン達の心意気が伝わって来そうなデザインだ。これは正にヨーロッパのベテラントップミュージシャンによるストレート・アヘッドジャズ。演奏は全5曲で10分から13分の比較的長い演奏。ハーマンのオリジナル2曲の他ジャズメンオリジナル3曲。ハーマンのオリジナル"Oy Oy Oy Blues"最初にハーマンの男性的な太い音でソロをとり各ソロイストがダイナミックなソロを展開する。ガレスビーの"Con Alma"ソロイストの熱演が伝わる迫力満点の演奏。S・タレンタインの"Sugar"ユニゾンのテーマからブルージーな演奏でダスコのソロが光りベテランが実力を示した演奏でベストプレイ。ハーマンの"Ground Blues"ブルースをのびのびと面目躍如のプレイを展開し終演する。
Heinz von Hermann(ts)Dusko Gojkovic(tp,flh)Adrian Mears(tb)Joerg Reiter(p)Mads Vinding(b)Bruno Castellucci(ds)2005.5.6 alessa AL1006

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2007年6月 3日 (日)

ジェラルド・ハーゲンの隠れた名演

Img_1131_1 ジェラルド・ハ ーゲンのピアノ・トリオにトシコ、タバキンバンドで名を成したアルト奏者のゲーリー・フォスターが参加したCD「GERARD HAGEN TRIO/FAR HORIZONS Special Guest Gary Foster」を取上げます。実はこのCDはG・フォスターを聴きたいために購入したもの。しかしフォスターは全曲に参加していない。CDのクレジットにもその旨の記載が無い不親切なものだ。このCD、マガジンランド発行の「幻のCD廃盤/レア盤」のレア度が5ツ星になっているもの。実はResurgent Musicという初めて聞く西海岸のマイナーレーベルからのリリースがそうさせたのだと思う。認識不足かこのレーベル、このCD以外あまり聞かない。リーダーのハーゲンも初めて聞く名前。聴いてみるとエバンス派のリリシズムを湛えたソロが印象に残る。T・フラナガンやK・ジャレット60年代のH・ハンコックがお気に入りだという。他のサイドメンも知名度はないがベースのドメニク・ジェノヴァが素晴らしい。随所にソロやデュオがフィーチャーされるが実にうまい。ドラムもセンシティブで控えめながら存在感のある見事なドラムを叩く。このトリオ、派手さはないがエバンスの知性を感じさせる格調高いジャズを聴かせてくれる。フォスターも随所にコニッツのフィーリングが出ていて個性を発揮している。演奏は全10曲。ハーゲンのオリジナル3曲にジャズメン3曲とスタンダード4曲。スタンダードの"Yesterdays"ストレートな解釈でエバンスタッチが目をひく。”In Walked Bud"でベースソロがフィーチャーされる。"You and the Night and the Music"無伴奏のアルトのテーマからピアノとベースのデュオが展開される。ドラマーのカラフのオリジナル"Sep. 15,1980"はエバンスの命日をタイトルしたもの。フォスターがセンチメンタルなソロが印象に残る。バロンの”Voyage"でフォスターのコニッツのサウンドがたまらなくいい。"Shery's Suprise"はソロピアノで奥さんに捧げたもの。
Gerard Hagen(p)Domenic Genova(b)Jerry Kalaf(ds)Gary Foster(as 5track) Resurgent Music RM121

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2007年6月 2日 (土)

大ベテラン二人の共演

Img_1130ジャズのベテラン達による気軽なセッションは冒険こそ無いものの安心して心おきなく聴ける所がいい。今回はベテランの共演英HEPの「Gene DiNovi Meets Spike Robinson/At the Stable」。ピアニストのジーン・ディノヴィは10代後半からビバップの洗礼を受けた生粋のバッパーだがジャズシーンの第一線に出る事無く不遇をかこってきた人。ひょんな事から日本人の手によって1990年日本のセンチュリー盤「プレシャス・モーメント」の自身初のトリオの名演によって蘇った名手。以降多くのアルバムをリリースし存在が再認識された素晴らしいピアニスト。一方テナーの故スパイク・ロビンソンはレスター派の流れを汲む名手でスムースなフレージングには定評がある。リーダー作は数多くあるが殆んどは米CAPRIや英HEPから出ているため一般的な知名度は十分でない。こうしてみると二人は地味で渋さが売り物のように思えるがジャズが持つリラクゼーションと寛ぎを持った絶妙の雰囲気を持ったジャズマン。ディノヴィ、ロビンソンのソロはリラックスして良く唄い豊潤さが伝わってくる。ジャズをTPOで聴くには真っ先に手が伸びるCDだ。演奏形態はロビンソンのワンホーンが10曲にディノヴィのピアノソロ3曲にピアノとテナ-のデュオ1曲の全14曲。オリジナルは無く聴き易いものばかり。カルテットの間に入るディノヴィのソロピアノ"LAURA""ALAN'S SONG"などとデュオの"I CAN'T GET STARTED"はベテランの味が如実に出た演奏で聴き応えがある。
Gene DiNovi(p)Spike Robinson(ts)Leon Clayton(b)Bobby Worth(ds)1996.6.26 HEP CD2071

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2007年6月 1日 (金)

D・エリントンのラストアルト奏者ノリス・ターネイの会心作

Img_1132 デューク・エリントン楽団の花形アルト奏者ジョニー・ホッジスの後任として注目され活躍したノリス・ターネイ。ターネイのリーダー作がMapleshadeレーベルから「BIG SWEETN' BLUE/NORRIS TURNEY QUARTET」として出ている。ターネイの本領を発揮した極上のワンホーンジャズをタップリと聴く事ができる。リズムセクションはモダン派の今や最も脂がのっている重量級の面々との共演は興味が尽きない。ラリー・ウィリス以下のサイドメンもリラックスして違和感を全く感じさせないバッキングでサポートしているのはさすがである。これまでターネイの有力盤が少ないだけにこのリーダー作は貴重で全貌が聴ける。明快なフレーズとアルトの音色は比類なく美しく、心が休まる思いがする。ジャズらしさとは緊張感の連続ではなく、本来安らぎと寛ぎが同居したものといえないだろうか。演奏は全10曲。ターネイが3曲を提供しエリントン2曲にスタンダード5曲。ターネイのクリアな澄んだ音色に彩られた演奏に魅了されてしまう。
Norris Turney(as)Larry Willis(p)Walter Booker(b)Jimmy Cobb(ds)1993.4.5,6録音 Mapleshade MS 02632

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